手首の痛みはもちろんの事、長年困っていた『ある症状』まで改善した症例です。
患者さん曰く、「信じられない!」と驚愕の結果が得られました。
手首に体重を乗せた時に激痛が! 痛みが酷くなり腱鞘炎のような症状にまで進行
53歳 女性
整体の学校で手技の練習中、手首に体重を乗せて押した時に突然痛みが出現しました。
2週間経っても痛みは引かないどころか徐々に強くなってきて仕事を休まざるを得ない程困ってしまい、インターネットで検索したところ当院がヒットしました。
その記事はこちら⇒ラケットボールで手首の腱鞘炎に 治療が痛すぎて通院を断念していた症例
しかし、休診日だったのでその日は別の接骨院に通院し、翌日に来院されたという経緯です。
症状
・手首を曲げた時
・体重を乗せた時
・箸を持つ
・字を書く
・何もしてなくても
全部をまとめると、ずっと痛いってことです。
マナ接骨院からの説明
整体の学校に通ってるという事なので、ちょっと難しめな解説もしました。(バイアスがあるので、それで拒否されるならしょうがないという気持ちもありました)
単純な手首の捻挫であれば、2週間経ってるので痛みは軽くなっていてもいいはず。
現在の症状から判断すると、間違いなく脳疲労の蓄積があると説明しました。(脳疲労とは?の部分を専門的に解説)
すると、意外なほど食いつきが良くて僕がビックリしました。
それもそのはず、患者さんには長年悩まされている事があったのです。(それは後ほど)
施術&BFIの解説
メインの症状は手首ですが、純粋なケガの痛みではなくなっているので、BFIで全体的な施術を行っていきました。
整体の勉強をされているので、どうしてもご自分の学んでいる技術と比較してしまうんでしょうが、そこは明確に『方法論の違いではない』とお伝えしました。
どういう事かというと、そういう比較ってご自分がこれまで受けてきた治療や施術、症状に対する説明などと比べて考えますよね。
その過去ベースの経験や情報にどれだけ固執しているかが、その後の経過にもメチャクチャ大きく影響してしまうんです。
今までので改善がないのであれば、もうそこから抜け出して『新しい情報』、『違った方法』を取り入れていくのがいいです。
その時の注意点として、
・筋肉
・骨盤
・筋膜
・骨格
などとは次元の違う、ソフトペイン=脳(感情・思考)がこれからはオーソドックスになっていくので、今からアンテナを張っておくべきかなと。
翌日から手首の痛みだけじゃなく意外な症状まで改善しちゃった
翌日に来院した時の状態は
・何もしてなくても痛かったのがない
・手首を動かした時の痛みがだいぶ改善してる
・手首の腫れがひいてる
と、たった1日でかなりの変化がありました。
関節や腱の問題で痛みがあったのだとしたら、こういった変化は出ないんですよね。
なぜ、これほどの改善が見られたのかというと、それは脳(思考)が変わったからなんです。
今まで○○が悪いんだと思っていた事が、実は関係なかったんだと気づいただけで、これだけの変化が出るのが人間の身体の不思議ですね。(メカニズムを知ってしまうと不思議じゃないんですが)
その後も順調に改善し仕事復帰はされましたが、もう少し経過は追っていきます。
しかも、変化したのはこれだけじゃないんです。
意外な症状の変化とは?
これまで15年間も悩まされてきた事がありました。
それは、【家や車の施錠確認を尋常じゃなく繰り返してしまう】
この症状(症状といっていいのかすら疑問)の為、3年前から病院で『強迫性障害』の診断を受け抗うつ薬を飲んでいました。
患者さん曰く、「気分がハイになるだけ」だと。
病院に行くキッカケになった施錠に関しては何も改善がなかったのです。(それでも薬を出し続けるって・・・)
僕が関与した事といえば、「それって別に病気じゃないですよ」と言っただけです。
それに対する返答は「なんか救われました」でした。 翌日にどうだったかお聞きしたところ、かなり回数が減ったそうです。
さらに翌日には、気にならなくなったと。
すべてに当てはまるとは考えてませんが、薬の意義とか症状の緩和などと照らし合わせて『出されたから飲む』という安易な考えはどうかと思ってます。
腰のコルセットも外せるようになった
以前、腰痛があった時に、なんかのトレーナーの人に「あなたの骨盤は歪みやすいからコルセットはしておいてください」と言われたそうです。
それ以来、腰痛のない現在もコルセットが外せないと。
トレーナーの一言が呪いの言葉となって、患者さんの意識はずっと腰痛の不安から逃れられなくなっていたのです。
これに対しても、僕は熱量上げて説明しました。
「今でも骨盤の歪みってフレーズ流行ってますけど、痛みと関係ないですからね! だから腰の痛みがないのならコルセットは外して大丈夫ですから。」という事をエビデンスを示しながらお話ししました。
もう翌日から外してきましたね。
今まで述べてきた症状の変化は、炎症がなくなった訳でも、歪みがなくなった訳でも、強迫性障害が消えた訳でもなく、患者さんの意識が変わっただけなのです。
まとめ
ちょっとややこしい内容になってしまったかもしれませんが、僕としては色々と考えさせられ経験値が上がったと感じる症例でした。
まだまだ世の中には、痛みを改善するのにジャマな情報が多いんだと強烈に感じています。
以前に比べればきちんとした情報を発信している医療者も増えてはいますが、まだ弱いです。
愛知医科大学病院のような取り組みが広まるのを強く望みます。
そうすれば、今回のようなこじらせてしまった症状でも改善の方向に導けるのです。
過去の情報の延長線上では痛みの真実にはたどり着けません。 それは世界的な研究でも証明されています。
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