骨盤矯正の効果について真剣に考えてみませんか?

レントゲン写真の読影

今に始まった事ではありませんが、もうそろそろ《骨盤矯正》終わりにしませんか?

これ、医学じゃないんですよ。

骨盤矯正がこの世から完全になくなっても、本当に困る患者さんはいません。
困るのは施術者側のみです。

セールストークにご用心!!

 

骨盤矯正に科学的根拠はない

産後に限った事ではないのですが、骨盤のゆがみを矯正したところで・・・・・何?

そもそも『ゆがみ』って何ですか?

背骨のレントゲン

本当に左右対称の人っているのかも疑問ですが、どの程度左右差があったら症状が出るのかもわかっていません。
厳密に調べるのであれば、正面の画像(2次元)だけではなく、立体(3次元)で捉える必要があります。

腰痛を例に出しますが、骨盤矯正をしなくても痛みの改善はフツーに起こります。

アメリカの研究でも次のように述べています。

研究デザイン: 横断的症例対照アプローチを使用して、理学療法サービスを求めている21〜50歳の患者の12か月未満の期間の腰痛と骨盤の非対称性との関連を推定しました。

目的: 骨盤の無名の非対称配置が腰痛の原因であるという前提を評価すること。

結論:骨盤非対称性と腰痛との間に有意義な正の関連がない場合、この前提に基づく評価および治療戦略は疑問視されるべきです。

The association between static pelvic asymmetry and low back pain~ より引用

 

ヒトは基本的に理屈よりも感情を優先するので、難しい話よりもキラキラ・フワフワしたイメージのしやすい方に心が動きます。

そういった心理を逆手にとって、巧妙な話術でいつの間にか今のように認知されるようになってしまいました。
こんな事になってしまったのには、「これはオイシイ」と乗っかった医療者に責任があります。

少しでも良心が残っているのであればもう一度考え直して欲しいのですが、現状それでメシが食えてたらムリか・・・。

骨盤矯正といわれる手技で症状が改善すること自体は否定しません。
ですが、その変化は骨盤が矯正されたからではないのです。⇦ここの共通認識がないことが元凶です

これはあらゆる手技療法に当てはまる事なのですが、あくまでも本当のターゲットは脳です。

極端な話、脳がいい方向に変わるのであれば方法は何でもいいという事です。

そうはいっても、やはり体にとっても安全な方法を選んだ方がリスクは減らせますね。

 

産後の退院後に起きる生活リズムの変化や不安などの感情が体に症状として出る

約10か月の準備期間があるとはいえ、小っちゃい生命への対応にどうしていいかわからなく時だってありますよね。

あまりのかわいさに、時間を忘れて見てしまう事もあるでしょう。
肌着を選ぶのも、近くに散歩に出かけるのも楽しくてしょうがない気持ちになるでしょう。

ですが、時には一人の時間が欲しくなる時だってあります。

そんな事を考えてしまう自分を責める必要はありません。

だって、初めの数か月なんて泣く・飲む・寝るくらいしかしない未知の生物なのですから、どうしていいかわからなくなって当然ですよ。

泣いている赤ちゃん

 

夜中に起こされる、泣き止まない、近所に迷惑かけないように、など気の休まる時がありません。

こういった負の感情が脳疲労として蓄積していけば、子育てで負担のかかっている場所に痛みが出ても何ら不思議ではありません。

あくまで脳疲労の結果であって、開いた骨盤が元に戻ってないからではありません。

骨盤矯正しないと不都合が生じるのであれば、昔の人は全員がボロボロですよね。

きちんと【脳と痛みの関係】を理解していなければ、ギリギリで頑張っているママたちの抑圧された感情に気付けませんし対処できないでしょう。

気分が滅入ったからといって心療内科や精神科に行くのはおススメしません。

『産後うつ』とか言われて、薬出されるだけで何の解決もしませんからね。

 

体型を戻すためという事であれば、僕は何も言えないので自由でいいかもしれません。

ウエストのサイズダウン

 

『矯正しても戻ってしまうから継続して受ける必要がある』という嘘に付き合ってはいけません

これはただの継続的に通院させる為のセールストークなので、これに付き合って高額な回数券などを購入するのは慎重になってほしいところです。

脚の長さが左右で違うっていうのも、痛みとはイコールではありません。

以前、生まれつきの股関節脱臼の症例で左右で脚の長さが5センチ違う患者さんがいましたが、股関節はおろか腰の痛みもありませんでした。

この患者さんのレントゲンを撮ったら骨盤は左右差も違いますし、捻じれも生じているでしょう。
それでも痛みがないという事はそれが原因ではないという事です。

測定方法にもトリックがありますし、厳密に脚の長さを揃えなくてはいけない根拠もありません。

そんな曖昧なものに長期間お金をかけるのは無駄だと、僕は思います。
元気になれるのであれば話は別ですが。

 

自力で起き上がれない程の痛みが早期に改善した症例

夜中に突然、腰の痛みで目が覚めた。

通院した所で、「骨盤が歪んでいるのが原因だ」と説明を受けたそうで、何度か矯正を繰り返さなければいけないと3ヶ月の回数券を購入したようです。

施術は、とにかく全身を押されたと。
しかも、かなり痛い。

職場の同僚に現場を説明したところ当院を紹介されましたが、とりあえず回数券を消化してから考えることになりました。

結果・・・3ヶ月経っても全く変化なくマナ整体ラボに来院されました。

 

骨盤矯正について詳しく説明

来院されるまでの経緯を聞き、「これはストレートに伝えた方がいい」と判断したので、できる限りの説明をしました。

仮にも、回数券まで買って3ヶ月頑張ってきた事を否定されるのは受け入れ難い事は理解しています。

しかし、その結果が今の状態であれば何かを変えなければなりません。

幸いこの方は、来院前に僕のブログを読んできていたのでそれほど衝撃を受けることはありませんでした。

 

初検後の経過

初検から1週間後に2回目の来院。
この時点で夜中の痛みもなく、朝も自力で起きられるようになっていました。
さらに1週間後に来院されましたが、すっかり腰のことは気にならなくなっていたのです。

痛み始めて5ヶ月間良くなる気配すらなかった症状が、たった2週間でなくなったのです。

当たり前のことですが、当院では何かを矯正したりマッサージの類は行っていません。

骨盤矯正を提唱している人は、この現象をどう説明するのでしょうか。

 

ノーシーボが払拭できれば多くの方が救われる

骨盤が歪んでいると言われたら、やはり気になりますよね。

骨盤に限った事ではありませんが、『○○が悪いから』と言われることにより良くならない方が非常に多いのです。
このネガティブな情報を【ノーシーボ】といいます。

今回の症例では、ずっと骨盤が歪んでいると思い込まされていたことと、痛い施術を受けていたせいで改善しなかっただけなのです。

この思い込みを薄めることができれば、あなたが思っている以上に早く改善する可能性は高くなります。

せっかく通院するのであれば、きちんと改善に導く情報を出している所を選ぶべきですね。

 

まとめ

骨盤矯正は単なる【売り上げを上げるための手法】でしかありません。
ここまで科学的に否定されているものを野放しにしているのはいかがなものかと思います。

痛みを専門に学んでいる人たちの間での共通認識として、【骨盤矯正】を掲げている所は「痛みの事分かってないんだよね」なのです。

そろそろ国もGoogleもメスを入れる時期ではないでしょうか。
まぁすぐに動き出すとは到底思えませんが、やるとしてもGoogleの方が早いかもしれませんね。

 

最後にもう一度書きます。

骨盤矯正がなくなって困るのは、患者さんではなく施術側でしかありません。

 

骨盤矯正に疑問を持っている方の為に頑張っています。

 

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