ヒモトレが腰痛など痛みの症状に変化を及ぼす理由とは? ~脳と皮膚の関係~

ヒモトレ

初めにこの記事を書いてから半年が経ち、ヒモトレに関する情報も多く見るようになりました。

そこで、僕自身の痛みの臨床も含めて気づいた事を加筆したいと思います。

 

ひもトレとは何だ?

簡単に説明すると、1本の紐を使って身体のバランスを整える事を目的としたトレーニングの方法です。

トレーニングと言っても筋トレみたいなのとも違うし、何回やらないとダメといった一般的なトレーニングのイメージとはかなり違っています。

紐の張力に沿って身体を動かしたり、身体にゆるく巻いて日常生活を送るだけといった簡単な方法です。

メディアにも取り上げられています。

ヒモトレの紹介

 

専用の紐もありますが、100均のでも代用できます。

お手軽なヒモ

 

開発者の小関勲氏はオリンピック選手やプロのスポーツ選手を指導する中で、従来の筋肉を鍛えるといった、部分を強化するのではなく身体全体のバランスを整えることに重点を置いた動き・感覚の開発に着目し、現在に至っています。

 

様々な分野で応用されている

スポーツ選手はもちろんの事、音楽家・俳優・介護や日常生活など幅広い分野でひもトレが活躍しているんです。

 

なぜそんなに色んな分野に適応できるのかって?

それは、人間はもともとバランスを保とうとする働きがあるんですが、部分的なトレーニングや身体の一部分だけを使ってしまったり、ストレスという心理社会的因子などの影響により身体全体のバランスが乱れている方が多くなっています。

それを、身体に紐を巻くことにより緊張しすぎている部分は緩み、緩みすぎている部分は適度に緊張する事によりバランスを整える働きがあるのです。

 

これだけ読んだだけでは「んなわけあるかいっ」 「眉つばだな」と思う方もいるかもしれません。

なので、勝手になぜ効果が出るのかを解説してみます。

皮膚にある感覚受容器(センサー)の存在

皮膚には感覚受容器というセンサーが備わっています。

触覚・温度覚・痛覚・圧覚など様々ありますが、ここでは触覚刺激という触られたり・触ったりの感覚を脳にフィードバックするシステムについて述べます。

触覚の科学

 

五感の中でも触覚というのは普段意識してないだけで非常に重要な感覚なんです。

触覚を失った状態をイメージするのは難しいですよね?

それくらいあって当たり前の感覚なんです。

 

明らかに触られたという刺激ならわかりやすいですが、触られてるという感覚がわからないような極微な刺激でも脳はちゃんとキャッチしているんです。

脳の働きのうち意識できる割合は5%と言われており、無意識下では75%にもなります。

その無意識下で何が行われているのかは全てが解明されているわけではないですが、ひもトレがそこにアクセスしている事は間違いないと思っています。

 

洋服を着た直後は生地の存在がわかりますが、数分も経つとその感覚は忘れてしまいます。

しかし、脳には常にその情報がアクセスし続けているんです。

 

紐をゆるく巻いていても、皮膚からの情報は届いているんです。

そのやさしい刺激が筋肉やこころの緊張をほぐしてくれているんでしょう。

やっとセルフケアに使えるものが見つかった

ケガをした患者さん、痛みのある患者さんに共通して多い質問に「自分で何かやった方がいいんですか?」と聞かれます。

当院では一貫してやらなくてもいいですよとお答えしています。

 

そういった質問をする心理として良くなるのか不安があるからだと思います。

自分で何かやった方が良くなる気がするからですね。

 

その気持ち良くわかります!

 

でも、痛みを理解すればやらなくても良くなるし、何かやったところで純粋な効果があるのかはわかりませんし・・・。

あるとすれば、何かの運動をしたことをポジティブに捉えることによって脳がいい方に反応したということでしょう。

 

元々運動は好きじゃないし、めんどくさいと思っているのに【~のためにやらなくちゃ】という姿勢では効果も期待できません。

そういった事が分かってからは敢えて勧めないようにしています。

 

そこでヒモトレの登場です

ひもトレの良いところは、何回やらなくちゃいけないとかのノルマがないし歯を喰いしばってやるものじゃないとこです。

まずは、紐を身体に巻いて日常生活を送っていただきたい。

これもれっきとしたヒモトレです。

 

あとは、紐を輪っか状にして上半身や下半身で気になっている場所を、無理のない範囲で動かすだけです。

ヒモトレの例

 

ね 簡単でしょ?

 

もうこれはやってみないとわからないと思います。

 

普通、人はどこかを動かそうとするとその場所に意識がいってしまい部分的な動きになってしまいます。(武術で言う居着き)

そこに紐をつける事によって新たな接触部分が発生し、より多くの情報が伝えられる事で動きに参加する部分が増えるんです。

 

結果的に力が分散されて動かせる範囲が大きくなったり、痛みが軽減した状態で運動ができるんです。

自分の身体で試してわかったこと

・胸部に巻くと呼吸が楽に深くできる

・たすき掛けにつけると姿勢の保持が楽になる

・紐を輪っか状にして体幹を動かすと、無理なく可動域が広がる

 

・子どもにもやってみたら走るスピードが速くなった(ウソのようなホントの話)

子ども ヒモトレ タスキ

 

実感がない人は、もしかしたら「こんなので変わるわけない」という固定観念があるか、ボディーイメージが低下しているのかもしれません。

ヒモトレの効果をきっかけに痛みの真実を知ろう

今ではヒモトレを実践している方たちの中で、様々な巻き方の工夫がされています。

その結果、身体の動きに関して以前よりも発展してきていますね。

身体の動きが良くなった結果、痛みなどの症状が改善されている方が増えたのはうれしいかぎりです。

そのまま痛みへの意識がなくなればいいのですが『ヒモに依存』してしまうと、巻いてないと症状が出るという状態になってしまいます。

せっかくいいツールを使い不快な症状が軽減されているのに、それではもったいないと思います。

 

ではどうすればいいのか?

それは、痛みなどの症状の真の原因に気づくことが大事なんです。

時にはそれと向き合う事も必要になってくるかもしれません。

ストレスという感情にダイレクトに影響する環境で過ごしていると、本来痛みをコントロールしている脳のある部分が誤作動を起こして、症状が強く出たり改善していかないケースが見受けられます。

それにプラス構造的な部分での不安があれば、それ自体がストレスになってしまうんですね。

・骨の変形

・神経の圧迫

・身体のゆがみ

・筋肉が足りない

などの器質的な変化と痛みなどの症状に相関はありません。

 

症状が出やすい場所というのは、以前ケガをした所や普段から使いすぎていたり負担のかかりやすい所に現れやすいんです。

そこをヒモトレで、

・過緊張の出にくい状態

・低緊張を程よい状態

・関節可動域の拡大

など負担を分散できる状態の身体にしておけば、痛みなどの症状だって起きにくくなってくるのです。

 

脊柱管狭窄症の例

脊柱管狭窄症という神経の通り道が狭くなって痛みやしびれが出るといわれている疾患があります。

例えば、Aさんがヒモを巻いたら症状が軽くなったとしましょう。

ヒモを巻いたら神経の通り道が広がるという事はないので、構造の変化ではなく機能の変化により症状が軽くなったと考えるのが自然なんですね。

ここを知らないままヒモトレで症状が改善しても、構造的な部分での不安が残ったままだと真の解決にはならないんです。

なので、ヒモトレを実践されている方には構造の問題は痛みの原因じゃないという事を知っていただきたいんです。

 

そうすれば今までよりさらに変化を楽しめるんじゃないかと感じています。

そして、半年前よりも皮膚の感覚受容器(センサー)無意識というキーワードを目にする機会が増えました。

僕の所属しているBFI研究会では以前からこれを脳と皮膚の関係から脳膚相関と呼んでいます。

これは痛みとも密接な関係にあるので、興味のある方は掘り下げてみてほしいと思います。

きっと人の身体や動きにもっと興味が湧いて、身体を動かす事が楽しくなるでしょう。

まとめ

紐による皮膚への刺激が身体のバランスを整えてくれる。

結果、緊張がほぐれ身体の痛みにも変化が表れる。

 

今まで敬遠してきたセルフケアを勧めやすくなった。

BFI療法と共通する部分もありこれからが楽しみです。

 

ひもトレは治療と予防を兼ね備えた優れものだと感じています。

 

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