字が書けないと言われてビビっときた
45歳 女性
新患の方で問診表を書いて貰おうとお渡ししたが、1分位してから「字が書けないんです」って言われて「??」ってなったが、すぐに「もしかしてあれか?」と頭をよぎりました。
夜中に目が覚めて起き上がろうと手をついたら、力が入らなくてそのまま倒れこんでしまったようです。
詳しく話を聞くと普段からうつ伏せで寝ている事が多く、腕が体の下になっていたりして、時々しびれる事があったそうです。
普段ならすぐに治るが、今回は1日経っても動かしにくいと来院されました。
症状
全く動かない訳ではないが、手首が持ち上げにくい。
感覚がない。
・上腕(二の腕)は左右差なく正常に感じる
・前腕(肘から手首までの間)は右は触られてるのがわからない状態。
・指~手の甲は小指は正常、中指は鈍い、親指付近はほとんど感じない。
神経の支配領域とほぼ合致しているので本当の神経症状である【橈骨神経麻痺】です。
手首や手の指に痛みはありませんでした。
処置
中枢神経(脳・脊髄)の症状についての説明と、今回の症状は別物だという事をお話して納得してもらいました。
あとは、手が思うように動かないので固まってしまうんじゃないかと不安があったようなので、関節拘縮(関節が固まってしまう事)の説明もして安心していただけました。
その上で、王道である背屈位(手首を上げた状態)にてプライトン固定をしました。
翌日2回目の来院
手首の動きはまだ回復していないが、触られた感覚は昨日より良くなっていると。
親指はまだわからないが、中指は鈍さはあるものの左右同じくらいに感じる。
前腕(肘~手首までの間)は触られている感覚が出てきた。 左右で比べてしまうと全然違うが。
同固定に+BFI療法で施術
橈骨神経麻痺の改善までの経緯
3回目の来院
都合が合わなくて4日後に来院。
前日から固定を外して生活していたと。
手首の動きは問題ないくらいまで回復している。
感覚は、親指は正常に感じる。 中指は少し鈍い感じが残っている。
ペットボトルの蓋は開けられるが、持ち上げるのは困難。
同固定+BFI療法。
4回目の来院
3日後に来院されました。
手首の動きは問題なし。 感覚も正常に感じる。
手首を掌屈(手首を下に曲げる)すると前腕がつっぱる感じだと。
まだ本調子ではなく、違和感は残っている。
神経症状は問題なく回復したので、プライトン固定を除去し適切な皮膚刺激を送る目的で紐を手首周辺に巻きました。
これはBFI研究会が、これからさらに深めていく【脳膚相関】とも関係しているヒモトレという方法です。
5回目の施術
4日後に来院。
もう症状なく普通に動かせると。
感覚も正常に戻っている。
短期間で回復しました。
「完全麻痺じゃないからだろ」と言われればそうですし、「こんなに早く治ってスゲーだろ」ってのが言いたいわけではありません。
橈骨神経麻痺の症状から本気で伝えたいこと
今回の橈骨神経麻痺は本当の神経症状です。
症状は、力が入れずらい・触られてる感覚がないということです。
神経が圧迫されるとこのような症状になります。
痛みは感じません
【橈骨神経痛】という名前を少なくとも僕は聞いたことがありません。
同じ神経の圧迫なのにどうしてでしょう?
神経を圧迫すると痛みが出るという事であれば【橈骨神経痛】もあっていいはずです。
もう一度書きます。
神経が圧迫されても痛みは感じません!
ここは強く認識した方がいいです。
そうでないと、いつまでたっても椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症といった神経痛の呪縛から逃れられません。
一般的に治りにくいといわれている症状として認識したままですと、どんな手段を用いても改善していかない症例もあります。
神経痛といわれている症状も、「ほんとは関係ないんだ」「ちゃんと良くなるんだ」とご自身が思えることが一番の近道だと確信してます。
まとめ
今回のような本物の神経症状は痛みの症状は出ません。
脳と痛み・脳と皮膚の関係が重要だと思い知らされる症例でした。
橈骨神経麻痺に限らず、痛み・しびれの臨床経験豊富なマナ整体ラボで身体の悩みを解決しませんか?
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