食品添加物・農薬・肥料・企業による偽装問題など食にまつわる負の情報が多く流れていますが、皆さんはどこまで真剣にお考えですか?
・「何を食べたらいいのかわからない」
・「気にし過ぎも疲れる」
・「健康オタクだと思われるのはイヤ」
・「高いんだもん」
そんな声が聞こえてきそうです。
なにもいきなり完璧にこなす必要もありませんし、情報過多の時代なので何を信じていいのかわからない気持ちもわかります。
僕が食への関心を持って15年近く経ちますが、その間も色々と変化しましたし、今から思えば当初の関心なんて笑っちゃうくらいショボいものでした。
これを食べれば健康になるなんてものはない
○○は身体にいい・○○は血圧を下げる・○○はコレステロールを下げる・○○でガン予防…巷には様々な情報が飛び交っています。
健康に対する関心が高まること自体はいいんですが、なんでもかんでも飛びついていたんでは結局食べすぎで健康を害する可能性もあります。
多くの企業の目的は利益であってあなたの健康ではないので、法に触れないように様々な手法を駆使し上手に宣伝しています。
どんなに自然で身体にいいと言われているものでも体質によって合う・合わないもあるので、あの人がいいと言ってるからという理由で購入するのはいかがなものかと思います。
日本の食文化は短期間で大きく変わった
現在のような技術も流通システムもなかった時代の一般市民の食事といえば、住んでいる地域で採れたものを大事に食べていたため、質素なものが中心でした。
電気もない添加物もない時代では、優れた知恵や感性で保存食という文化が発展しました。
負の側面としては、天候に左右され収量が安定せず飢えや栄養不足で亡くなる方もいましたし、そういった意味では現代は恵まれています。
質素だった食事が大きく変わった節目が江戸時代から明治に移った時と第二次世界大戦の終戦後でしょう。
明治に入り自国の文化なんか糞くらえって勢いで、西洋文化万歳・科学万歳の風潮で一気に変わったという説もあります。
さらに第二次世界大戦後は劇的に変わりました。
パン・牛乳・小麦粉などそれまではあまり口にすることのなかったものが一気に押し寄せてきたのです。
何も知らない国民は、国の言う事を忠実に守る事により食生活は激変しました。
飽食の時代に気をつけること
現在、食べる物という事でいえば24時間お店は開いてますし困るという事はないでしょう。
満腹になればいいという事であれば恵まれた時代です。
しかし、昔よりはるかに内科的疾患、アレルギーといわれる症状が多くなってきているのは食生活の変化が無関係とは言えません。
以前のものより栄養価の低い米や野菜では量で補う事になり、現代栄養学でいう○○g摂取しましょうなんて量を求められてしまいます。
なぜ栄養価が低くなってしまったかというと、肥料・農薬・消毒の使用により土壌が弱くなってしまった事が挙げられます。
スポーツに例えるとドーピングです。
そもそも野菜には旬というものがありますが、今では1年中同じ野菜が収穫できます。
そこには必ずムリが生じるのでドーピングを打たないと育ちません。
そうなると食べすぎてしまったり、食べているのに栄養が足りないという状態になってしまう事もありえるのです。
骨折したらカルシウムは摂った方がいいんですか?
整形外科に勤務していた時にある患者さんから「カルシウムは摂った方がいいんですか?」と質問された事がきっかけで食への関心を持ちました。
それまでは漠然とカルシウムは骨に含まれているんだから摂った方がいいだろう位にしか考えていませんでした。
そして
・カルシウムは単独で摂取しても意味がない。
・ビタミンD・マグネシウムなども同時に摂取するべき
・運動も大事
などを知り、しまいにはカルシウム摂ったって骨は強くならんとかなってみたり…。
まぁ何もしないよりはいいかと思いますが、骨にはカルシウムみたいな単純な考えではいけないという事を知りました。
国産だから安心って思いこんでた
野菜にしても外国産より国産がいいと思ってました。
そして、「有機野菜の方がいいんだ」となり、有機より「自然農法というものがあるんだ」からの「農薬も肥料も与えない自然栽培」に落ち着いています。
有機栽培は有機肥料はもちろんの事ですが、JASが認めた31種類の農薬は使ってるのを知ってショックを受けてみたりしました。
自然農法は農薬も肥料も与えないって書いてあるのに鶏糞入れていてオヤ?っと思ってみたり。
自然栽培は農薬も肥料も使わないが、そこに転換するまでに使用された農薬・肥料が土壌に残っているので完全にいい土壌になるまでに時間がかかったりと課題もあったり。
それぞれに光と影の部分があるので「これじゃないとダメ」って訳ではないです。
日本の農薬使用量は世界でもトップクラスなので国産だから安心という【安全神話】は崩壊していますし、一般的に利益を上げるためにはどこかでズルをしないと無理が生じるので産地や賞味期限・消費期限の偽装も起こっています。
これは生産者だけの問題ではなく僕も含めた消費者の問題でもあります。
これからは量より質にこだわってみる
必ずしも当てはまる訳ではないですが、質の悪い食で病気になって医療費にお金がかかってしまったのでは何のために節約してきたのかわからなくなってしまいます。
だからといって神経質になりすぎてストレスになってしまうのも良くありません。
大事なのは知った上で食べるということです。(知っちゃったら食べられないって意見はあるでしょうが、だったら食べなければいいだけです。)
なにかと忙しいご時世ですから、そういった時には手軽に食べられるものを活用すればいいと思います。
僕はたまにジャンクフードが無性に食べたくなったり、無性に辛いものを欲する時があります。
食べたくなるということは脳が欲しがっているので、その欲求に従います。
身体も含め色々整ってくれば自然と欲しなくなるかな~と気楽に考えてます。
あまり知られていない【種】の問題
米も野菜も種からできています。
昔は農家の方は自分たちで種を継いできました。
現代の多くの野菜は【F1種】といって毎年種を購入して栽培しています。
ここで問題提起されているのが【遺伝子組み換え作物】です。
企業側からしたら何の問題もありませんっていうのは当たり前ですが、今のところそれによって健康被害が出たという報告はないらしいです。
しかし、長年にわたって摂取した場合にどういった健康被害が出るかはわかりません。
後になって「やっぱりダメでした」という可能性もあります。
アスベスト然り。
その時になってブーブー文句垂れるのも違うと思いますし。
農家じゃない僕がいうのもなんですが、本来その土地で採れる作物を食べ、その種を引き継ぎ次の年も作物を食べるという流れが当たり前かと思います。
その流れを世界的に止めようとしている企業【モン○ント】は要チェックです。
自然栽培作物は全体の1%にも満たない
例えば、明日から国民全員が自然栽培の作物しか食べないという事になったら供給が追い付かないという問題も出てきますし、そもそもいきなりそんな風にはならないと思ってます。
それでも食への関心が高まり、自然栽培作物に興味が出て購入する人が増えたらいいなぁとは思っています。
そうすれば生産者の数も増えて、経済的な不安なく作る事に集中できる環境も整うでしょう。
僕の知ってる自然栽培農家さんは【カッコいい】人が多いです。
農業のイメージをひっくり返してくれるロックな人が、作物に対する哲学・生き様が魂を震わせてくれるんです。
そんな人が作った作物を食べたら元気になる気がするんですよね。
ありきたりな言い方をすれば、なんだかんだ言っても『人は食べたものでできている』のですから。
熱量を感じる百姓【中川吉右衛門】という男
山形県高畠市で農家を営んでいる中川吉右衛門という一風変わった農家がいます。
農薬・肥料・除草剤を一切使わずにフリキッタ米・野菜を作っています。
それ自体もすごい事なのですが、それだけではここまで惹きこまれる事は無かったかもしれません。
農業の枠におさまらず、中川吉右衛門という人間の生き様に惚れました。
人見知りを覚えた息子もご覧の通り
現在農業を取り巻く様々な問題を危惧し、打開するためにカッコいい農家としてイベントなどを打ち立てています。
だからといって悲壮感はなく、愉しんでるところがまたイイ。
若い元気な熱い農家がこの男のまわりにはたくさんいるんです。
この男の発信するものは魂が揺さぶられるのです。
実際にこの方の米・野菜はウマい。
でも、人の味覚は環境だったり、気分次第でどうにでも変化します。
単純にウマい・マズいじゃなくて、この男が作ったものだから食いたいんです。
それこそ中川吉右衛門を喰ってる感じ
顔が見えるから安心とか産地がわかるから安心なんて低いレベルの話じゃなくて、もっとデッカイものを与えてくれるこういった生産者が増えたら日本の食も本当に安全なものになるでしょうし、ものすごいエネルギーの詰まったものを食べてたら自然と元気になるでしょう。
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