ケガの固定はただ固めりゃいいってもんじゃない ~ニューロフィクスという視点~

BFI研究会

ニューロフィクス(neuro-fixed)という視点で外固定を考える

ニューロフィクスとは【痛み・腫れのコントロール及び関節拘縮の発生予防】という観点から固定具を作成することです。

ケガをしてギプスなどの固定を経験された方ならわかると思いますが、初めは患部の安静が保てるので良いんですけどある程度落ち着いてくると、逆に動かない事のストレスや固定材料が当たって痛いという事が珍しくありません。

 

骨折を例にとって、『ずれた骨を元に戻してそのまま骨をつける』という目的だけでいえば、ひたすら【強固な固定】が必要になるでしょう。

しかし、骨はついたが関節が固まって動かない・リハビリをしても動きが悪いままという事もあります。

 

僕も修業時代は『骨折をしたら関節は固まるもの』と思い込んでいました。

理由も考えなかったし、「固くならない方法はないのか?」なんて事も考えていませんでした。

今思い返してみるとお粗末だなぁと思います。

 

なぜ関節が固くなってしまうのかの原因を考えよう

関節が固まり動きが悪くなることを『関節拘縮』といいます。

なぜ拘縮が起きるかというと、単純に動かさないからだけではありません。

その裏側には脳の働きが関係してきます。

・ケガそのものの痛み
・ケガの経過に対する不安
・動かさないと固くなるという都市伝説…

こういった感情、思考が脳に記憶されたり恐怖心が大きくなる事により拘縮は起こりやすくなるのです。

これは拘縮に限った話ではなく、単純にケガの治り方にも大きく影響してきます。

 

次の症例は病院に勤務していた時のことです。

『小学生の女の子が足首を捻挫してギプス固定をしました。
その後、ギプスを取り外しができる状態にカットしリハビリが開始されました。
そして、その女の子の足を見てみると…

筋肉はおちて細くなってるは、関節が固くなって拘縮起きてるは、皮膚はテカテカ光ってるは、ギプスを巻いていた所が異常に毛深くなってるはで驚きました。

基本的に子どもの捻挫でリハビリが必要になるのも珍しいんですが、その子は明らかに経過がおかしい。

良く話を聞くと、来院時は歩いてきたのにキャストライトというプラスチックの固い素材で固定をされてビックリしたと。

その後は、周りの大人から「リハビリは痛いのよ~」なんて言われてこわかったと。

そういったネガティブな情報を受け取り、真に受けてしまうと脳に恐怖の感情が定着してしまいいわゆるCRPSという特殊な症状を出してしまいます。

 

固定中の不快感を如何に減らせるかが大事

このケガにはこの角度で・この材料でなど固定観念を持ってしまうと、固定されている患者さんの状態や不快感まで気が回らなくなる恐れがあります。

今まで述べたように、そこを疎かにしてしまうとその後の経過に影響してしまうので無視してはいけません。

ここが当たって痛い、窮屈で常に力が入ってしまうなど気になることがあったら担当の先生に言いましょう。

後で困るのはご自身なので!

 

医療者にもそういった気遣いは必要だと思います。

まとめ

関節が固くなるのは単純に動かさないことよりも、固定中の不快感、ケガに対する不安などの方が影響は大きい。

ケガの痛みは適切な固定・処置をすれば数日で初期の痛みは落ち着いてくる。

固定に関しての疑問は遠慮なく申し出るべき。

 

当院でもこの事を常に心がけるようにしていきます。

 

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