あなたの痛みやしびれは『原因不明病』でも『年のせい』でもありません

疲労

「原因がわからない」と言われても落ち込む必要はない

今までに病院で診察を受け、『原因不明』と告げられた方を何人も見てきました。

レントゲン・MRI・CT・血液検査など特別異常がないとお手上げなので結局『原因不明』『気のせい』『精神的なもの』として簡単に片付けられてしまう事があります。

その結果、原因を求めていくつも病院を変更していくという不幸に見舞われます。

現代医療は客観的に目に見える何かがないと分からないという事にしてしまいます。

よく言われる【病気を診て人を診ない】ということです。

検査機器の発展により『客観的に示される何か』に重点が置かれ、経験などのあいまいな基準が軽視される傾向になりました。

厳密には経験を完全に排除してしまったら効率が非常に悪くなってしまいますが。

科学的という名のもとに人をデータとしか診れなくなってしまうと大事な部分が見落とされてしまいます。

人は機械ではなく感情を持った生きものなのです。

ただ、この『感情』『精神的』といったものは、科学的に数値化しにくく論文として成り立たないので西洋医学ではあまり追及してきませんでした。

しかし、患者さんを全体として診ていけばどこかで原因は見つかるはずなんです。

ここで注意しなければいけないのは、いくつも病院を彷徨っている人の中には原因を知りたいというよりも自分にとって都合のいい説明をしてくれる人を探しているという方がいるという事です。

これもそう思ってしまう状況に追い込んだ医療側の責任でもあります。

 

時には間違った診断でも救われることがある

以前勤務していた病院で高校生が腰痛で来院しました。

それまで何軒かの整形外科に通院し、原因が分からないと言われたり、精神的なものでしょと言われたりで医療不信になってた感じがしました。

レントゲンの結果、当時の院長は『腰椎すべり症』の診断を下したのです。

その時すでに、画像診断による形態的な異常が痛みとは関係ない事を知っていたので、内心「またそんな診断して呪いをかけんじゃねぇよ」と思っていたのです。

しかし、それまで原因が分からないと言われてきたものが真偽はともかく『原因があったんだ』『原因がわかった』という安心感で非常に喜んでいました。

その後は僕が担当し、当時のAKA-博田法により症状は消失しました。

ここに痛みの真実が隠されています。

診断はともかく、原因がわかったという安心感が脳をポジティブな思考にしたことにより長年苦しめられていた腰痛から解放されたのです。

年のせいで痛みが出るのなら全世界の人がもれなく痛くなる

ちょっと考えればわかると思うんですが、あなたの周りの高齢者はみんな全身の痛みを抱えていますか?

もし、そうでないなら知ってほしい事があります。

長年の負担の蓄積などは確かにありますが、それと年のせいで痛くなるということはイコールではありません。

年は関係ない

実際に80歳を超えてもどこも痛くない方はいますし、小学生でも痛みを訴える子はいます。

その時点で痛みは年のせいという理論は破綻しています。

要は、画像診断に頼りきっている事痛みを治すことができない事の言い訳なんじゃないかとずっと感じています。
この際、痛みと年齢は関係ない事を知って、その上で真剣に考えていきましょう。

 

年を取って痛くなるなら治療の意味がない

どんな生物も1分1秒と時間は過ぎていきます。

痛みと年齢の関係が本当であれば、どんな方法で対処しようが痛みが消えることはないはずです。
それって治療の意味がないって事になると思いませんか?

それを、
・筋肉を鍛えて
・骨を丈夫にして
などと、もっともらしい事を並べて過剰な介入が見受けられます。

実際には何かしらの方法で痛み・しびれが改善することなんて普通にありますよね?
そこで、年を取ったら痛くなるという事を「本当はどうなんだろう?」ときちんと考えてほしいんですよ。

ここがフワフワしたままの認識でいると、ちょっと良くなってもまた痛くなると「年だから」という過去の思考に引っ張られてしまうのです。

僕は、この世から【年のせいで痛い】という言葉をなくしたいと考えています!

痛みの分野では科学が追いついていない

世間では科学というものに対して過剰な期待があります。
確かに科学技術の進歩により目覚ましい発展を遂げ格段に便利な世の中になりました。

機械やものづくりに関しては大きな恩恵を受けています。

しかし、人という複雑系でありブラックボックスの生命体にはまだまだ不十分である事は認めなければなりません。

画像検査機器は現在のところ静止画像での判断に委ねられています。
人が動いている時の関節内の状態を把握出来る検査機器は未だ存在しません。

体温計・血圧計などと違い痛み計というものは開発されていません。

科学的に証明されている・証明されていないというのも普段の臨床を真剣に取り組んでいれば、どれだけ曖昧なものかがわかります。

製薬会社による薬のデータ改ざんのように、都合のいいようにできてしまう世界なのです。

 

まとめ

『原因不明』と言われても、それは狭い視野で診ているからわからないというだけで、人を全体として診れば原因はあるはずです。

肉体次元だけではなく、感情・こころの視点からも診れなくてはいけません。

いわゆる【科学的】という言葉に惑わされず、真摯に症状と向き合ってくれる治療家を選ぶべきですね。

有名だからとか大学病院だからとかブランドで選ぶのはやめましょう。

 

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