通称【魔女の一撃】といわれるギックリ腰、僕も経験があるのでわかるんですけど、あの痛みは強烈ですよね?
特に初めてなった時なんかは自分の腰がどうにかなっちゃったんじゃないかと心配にもなるでしょう。
実際には、骨などの構造的な部分に問題が起きているわけではないのでご安心を。
ぎっくり腰を経験すると、それ以降常に腰に恐怖心を抱いたまま生活する方が多いですが、痛みの真実を知ることにより気にならなくなってきます。
これは断言しますが、痛みの原因を理解出来たらなら早く良くなりますし、ある程度自分で痛みをコントロールできるようになります。
ぎっくり腰とは何なのか?
医学的には【急性腰痛症】といいます。
突然起こる強い痛みが出る腰痛全般を指すことが多いです。
痛みの程度から考えると腰のどこかが壊れたという印象を持ちますが、厳密には骨や関節が損傷するということはありません。
レントゲン検査をしても、痛みとは直接関係のない椎間板や骨の変性が映る事はあってもぎっくり腰の所見が見つかることはありません。
きっかけは重いものを持った時というのがイメージしやすいですが、実際には軽いものでもなりますしちょっと前屈みになっただけでもなったりします。
臨床で多く聞くのが
・靴下やズボンをはいた時
・テーブルに置いてある物を取ろうとした時
・くしゃみをした時
・椅子やソファーから立ち上がったり座ったりした時
などと状況を聞いたら「そんな事で?」と不思議に思う方もいるかもしれません。
基本的には人間の身体はそんなに脆くはできていません。
しかし、ある条件が発動すると些細な事でもギックリ腰になってしまうのです。
・風邪をひいている時
熱が出た時に節々が痛くなったと、そんな話を聞いたことがある方もいると思います。
そういった時は関節にも影響してくるのです。
・感情の捻れやストレスがかかっている時
これらにより脳疲労が溜まり代謝バランスが崩れると些細な外力でもギックリ腰になりやすいです。
現代のギックリ腰の要因はこれが多い!
なにかと忙しいご時世、仕事・人間関係・子どもの事や将来の事、病気の事やら心配事や考え事が多いと思います。
うまく消化できればいいんですが、それが溜まってしまうと脳はイッパイイッパイになってしまい突然のシャットダウン…
現実から離れるために激痛というもので意識を逸らせてくれるのです。
あの激痛であれば意識はイヤでも痛みに向かいますから。
いわば脳が起こす緊急避難です。
ぎっくり腰が良くなるまでの期間は
基本的には何もしなくても90%のものは2週間で改善します。
■27,801名を対象としたアンケート調査から、急性腰痛患者の86.2%は2週間以内に治癒することが判明。この86%という自然治癒率とプラシーボの70%を超えられない治療法は価値がないどころか治癒を妨げていることになる。
~TMS ジャパン~ より引用
これを知って治るまで待てる人はそれでいいと思います。
でも、できればもっと早く治りたくないですか?
その為にも腰痛を含めた痛みの真実を知る事が重要になってきます。
ぎっくり腰を繰り返してしまう方は痛みの原因だったり改善のための対処法が間違っている場合が多いので、これを機に正しい知識を獲得しましょうね。
ぎっくり腰の治療・施術を選ぶ際の適切な対処法とは
本当にヒドいぎっくり腰の痛みは尋常じゃありません。
ちょっと動くだけでも脳天まで突き抜けます。
仕事や家事どころじゃない! そんな時は安静にしましょう。
この時に注意しなければいけないのが、【治るかどうか心配しない】という事です。
痛みは必ず良くなります!
痛くても動くようにという意見もありますが、それはある程度良くなってからでも遅くはありません。
どっちかわかんないという方はこちら→激痛の時に安静にするべきか動くべきか
ギックリ腰は大部分が原因のハッキリしている腰痛なのである種ケガです。
ケガによる痛みの内、肉体次元のハードペインは数日でおさまってきます。
それに脳や心が関与するソフトペインを如何に減らすかが重要になってくるのです。
ハードペイン・ソフトペインについてはこちら→痛みの分類に新提起 従来の枠に収まらない痛みとは?
経験したことのないような痛みが出れば不安になるのは当たり前です。
その不安を抱えたままいるのと、こういった事実を知って不安を軽減するのとではその後の経過に大きく影響してきます。
本当に辛い時はどうしても痛いところに意識が行きがちですが、本当にケアすべき場所は患部ではありません。
初めて読んだ方は意味不明かもしれませんが、症状というのは結果であって原因ではないんです。
なので、
・筋肉をつけても
・関節の可動域を広げても
・背骨の配列を正しても
・骨盤の歪みを矯正しても
根本的な解決にはなりません。
ただ、この過程で脳の安心スイッチが入れば、症状が改善する事はあります。
ぎっくり腰のような激痛の時は、強い刺激は避けるべきだと考えます。
好みの問題だと言われればそれまでですが、人間の痛みを理解するほど余計な事はしないほうが安全なんだとわかってきます。
コルセットをしているだけでは筋肉は弱くならない
腰のコルセットをしてると筋肉が弱くなるという話をたまに聞きますが、実際にはそんな事はないです。
コルセットをしている事自体が悪いのではなくて、コルセットをしないと心配だというその意識に問題があるんです。
本当に辛い時は確かに楽ですが、痛みがなくなってきたら外した方がいいです。
痛みがないのにコルセットをしているという事は、意識が腰に向かってしまっているということですから、不安が解消されていないという事ですね。
筋トレで腹筋を鍛えた方がいいのか?
これは昔からよく聞く話ですが、結論から言えば「別に腹筋なんて鍛えなくてもいんじゃね?」って思います。
若い人や普段から鍛えているスポーツ選手ですら腰痛持ちの人はいます。
それに、腹筋と背筋のバランスが大事だって話もありますが、そのバランスはどれ位がいいのか、どれだけやればそのバランスが良くなるのかというデータを見た事も聞いた事もないです。
どこかにはあるかもしれませんが、筋肉で痛みを取るという発想が痛みという感覚の全体の一部分でしかありません。
筋肉が足りないから痛みが出るのであれば、世界中の人が年齢と共に全身の痛みに苦しむという理屈になってしまいます。
そもそも人間の体はそんなに脆くない
ぎっくり腰を繰り返している方や慢性的に腰痛をお持ちの方は、『自分の腰は弱い』と思っている傾向があります。
アスリートなんかになると『腰に爆弾を抱えてる』なんて恐ろしいイメージを植えつけられている選手もいますね。
そんなに人の体って脆いものなんでしょうか。
僕はそうは思いません。
あなたも【この動作では体重の何倍もの負荷がかかります】ってフレーズ聞いたことありませんか?
このまま受け取ってしまうと、なんだかダメージが大きそうだなと思ってしまうでしょう。
それでは、それだけの負担に耐えられるように出来ているとしたらどうでしょうか?
まったく体に対するイメージが変わってきますよね。
体を鍛えるよりも、今までのイメージを変える思考のトレーニングの方が重要だったりします。
もし後者のように出来てないんだとしたら、とっくの昔にスポーツや力仕事は消滅してると思うんですよ。
自分の身体にネガティブなイメージを持ちながら運動しても、効果が望めないどころか故障に繋がることだってあるんです。
治療・施術する側からしたら不安があったほうが都合いいんだよね
整形外科・接骨院・鍼灸院・整体院など痛みで通院している方に対しては、不安があってもらった方がありがたいんですよね。
不安があったほうが長く通ってくれますから。
でも、それじゃいつまでたっても患者さんはゴールにたどり着けません。
ゴールに着いた後で、よけいな不安を与えず前向きなメンテナンスとして通院を促すようになる事は賛成なんですけどね。
症例1 ギックリ腰4回の経験者であるマナ整体ラボ院長が語る
僕が初めてギックリ腰になった時はものすごい衝撃でした。
中腰で咳をした瞬間に腰がビキッとなり、しばらくそのまま動けませんでした。
どうやって動いていいかもわからずに「これがギックリ腰かぁ」と感慨にふけっていたのを覚えています。
当時すでにどんな激痛であっても治るという確信は持っていたので不安になることはありませんでしたが、痛くて仕事に支障はでるし日常生活もしんどかったのでキツかったです。
幸い当時勤務していた病院内でのことだったので応急的にAKA-博田法-で治療し、その後ちゃんと治療してもらい1週間程で治りました。
症例2 クーラーボックスを持ち上げてぎっくり腰に
39歳 男性
飲み物の入ったクーラーボックスを持ち上げた際に受傷しました。
直後は痛みはあったが、さほど酷くはなかったようです。
仕事はお盆休みの為身体の負担はなかったようですが3日後の朝、目が覚めると動くのが困難なほど痛みが強くなっていたそうです。
仕事が始まり通常は1人での作業だが、あまりの辛さに助手をつけてもらったと。
受傷から1週間後に来院され、前日よりは「若干マシな感じはする」と仰ってましたが、動くのがかなり大変そうでした。
痛みは左の腰のみで、左腰の筋肉の緊張も強くモッコリしていました。
ヒアリングからわかったこと
・新居に引っ越しをして初めてのお祭りで、自治会の会長を任された。
・具体的に教えてくれる事もなく、自分で考えながら進めていかなくてはいけなかった。
・さらに周りから使えないヤツと思われたくないので、必要以上に頑張っていた。
・無事にお祭りが終わり、緊張の糸が切れたところで腰痛悪化!
ぎっくり腰に対する説明
・今回の腰痛は身体の負担よりも、気づかいなどの脳疲労によるものの影響が大きい。
・骨や筋肉などの構造的な欠陥ではない。
・よってBFI療法で脳疲労にアプローチすれば早期に改善する。
仕事は休めないし早く良くなりたいという事で、初診の翌日が日曜日だった事もあり、予約の施術で集中的に行いました。
初回の施術後は徐々に痛みが軽減していて、2日目の起床時にはだいぶ楽だったと。
初回に引き続き脳疲労や痛みとの関係をさらに深く説明し、患者さん自身も納得してくださり、今回のぎっくり腰がなるべくしてなったとわかっていただけたようです。
施術中は寝返りの際に痛みはあるが、初回の時とは全然違っていてスムーズでした。
施術後は起き上がったり、椅子の立ち座りも改善していました。
3日で腰痛がほぼ改善した
翌日、仕事中に少し時間が取れたのでとどめの施術を受けに来院してくださいました。
あらゆる動作が2日前とは別人のようになっていました。
患者さん自身が「こんなに早く良くなるとは思わなかった。 もう少し時間がかかるのを覚悟してました。」と予想以上の回復によろこんでいました。
3日という日数が特別短いという訳ではなく、そこを強調したい訳でもないんです。
むしろ1日やその場で良くなることだってありますから。
症例3 子どもを持ち上げて急に腰痛が出て動けなくなった
40歳 女性
1か月前に仕事で10kgの子どもを持ち上げた後から腰に痛みが出て動けなくなった。
症状は、起床後・仕事中・仕事後など要は起きてる時はずっと痛い状態でした。
2年前に仕事中にプールに入り、その後エアコンの入った部屋にいて、それから竹を持った時にぎっくり腰になった。
整形外科を受診し、レントゲン検査で異常はなく湿布を処方されたという既往があります。
腰痛の原因を知り痛みのイメージが一気に変わった
当院の患者さんの紹介で来院したので、全く何も分からない状態ではありませんでしたが、改めて痛みという症状の原因や対処法の説明をし、患者さんの中で抱いていたイメージが覆されたようです。
当院に来るまでは少し離れた所にある接骨院まで通院し、痛いくらいの強いマッサージを受けていたそうです。
それでも常に腰に意識が行ってしまい、負担をかけないように注意しながらじゃないと動けない状態だったようです。
寒い時期なんかはストーブの前で体を温めてからじゃないと動き出せなかったみたいです。
こういった患者さんは本当に多いです。
痛いマッサージは効いてる訳じゃない!その理由と悪化し来院した2症例とでも述べていますが、そんなのただのリラクゼーションです。(リラクゼーションにすらなってない場合もアリ)
もう二度と痛みの出ない不死身の体を作る事はできませんが、痛みが出たとしても不必要に心配しなくて済むように導いてあげるのが大事な仕事なんじゃないかと僕は考えてます。
まぁそうなると売り上げは落ちる事になるので、本気で取り組む院はごく一部でしょうけど・・・。
僕からは筋肉のかたさで痛みは出ませんし、ほぐす必要もないと説明しました。(そもそも強いマッサージでほぐれるとかもないんですが)
この患者さんの中では、痛みは絶対悪であり無理をするととんでもない事になるという腰に爆弾を抱えているイメージが強固にこびりついていました。
こうなってしまうのは医療者の責任です!
正しい情報が提供できれば、こんなに苦しむ状況に追い込まれることなんてないんですよ。
逆に呪いばっかりかけてリピートの事しか考えてないから痛みの業界はメチャクチャになってるんです。
ただの気休めの言葉ではなく、脳疲労をきちんとしたロジックで説明し安心感を持っていただけるように当院では心がけています。
1回の施術で変化を感じその後も痛い時はあるが以前のような怖さはない
十分な説明の後、BFIで施術をし腰痛に変化が起こりました。
この方のご主人も当院に通われいるのですが、ご主人から聞いたお話ですと今までと違って調子が良くなったと言っていたそうです。
以前から決まっていた海外旅行も、マナ整体ラボに来る前は不安があったようですが楽しく過ごせたようです。
この旅行先が僕も行った事があり、当院の名前の由来にもなったフィジーだったんです。
こんなとこでフィジーの話ができるなんて思ってもいませんでした。
初検から約1か月後に、何人もの子どもをお風呂から抱き上げた際に腰がピキッとなって再来院しました。
これもすぐに改善したようで、マナ整体ラボに来るまでの経過とは大違いですね。
症例4 マナ接骨院に通院している患者さんから紹介され草加市から来院
40歳 女性
自宅で洗髪時、前かがみの姿勢から身体を起こした時に腰に激痛が出ました。
ぎっくり腰になる少し前に、マナ接骨院の患者さんでもある、美容室髪質改善ヘアエステ専門サロン『クオーレ』のオーナーから当院の事を聞いていたようです。
この時は、お母さんを連れてくるつもりだったのですが、まさか自分が先に通院することになるとは(笑)
そのお母さんに起こった出来事の中に、今回のぎっくり腰になる真のキッカケがあったのです。
母親が膝蓋骨(お皿の骨)を骨折し手術・入院した為、家事の負担が激増
患者さんのお仕事は午後からなので、通常であれば午前中は時間的に余裕がありました。
それが、お母さんが骨折して手術・入院したもんだから、家の中の事もすべてやらなくてはいけない状況に。
退院後もすぐに元通りに動けるわけもなく、さらに気をつかう事が増えた状況で5日後にぎっくり腰になったという経緯でした。
急激な脳疲労によりぎっくり腰に
今まで述べたように、短期間で脳疲労に繋がることが増えた結果、ぎっくり腰になったという訳です。
脳疲労に繋がったことをまとめると
・お母さんが骨折した事に対する心配
・家事をやる負担の増加
・退院し帰宅したお母さんの補助
・病院でのお母さんのリハビリに対する不安
これらの負担が短期間で急増したことにより、意識活動の亢進が起こり限界を超えたところでシャットダウン。
これが、今回ぎっくり腰を起こした本当の原因です。
初めの頃は、脳疲労と腰の痛みが結びつかなかったんでしょうね。
なんとも怪訝な表情をしてました。 まぁ無理もありませんが!
そんな状態なので、3日経っても痛みの変化は乏しく、車の運転中に痛すぎて泣いていたそうです。
にもかかわらず、通院してきていただき1週間経った頃には痛みも軽減してきて、日中は問題ないところまで改善していました。
夕方になると痛みが強くなる状態が少し続きましたが、ある日を境に急激に良くなった印象があります。
それは、偶然にも当院の待合室で、紹介してくれた美容師の方と一緒になった時がありました。
少し待ち時間があったので、美容師の方からヒトの痛みの原因についてお話をしているのがチラッと聞こえてきました。
その日を境に、明らかに症状の改善が早くなり、痛みが気にならない状態になりました。
これこそが痛みの原因が脳にあるという事の証明でもあります。
信用している人から同じ話を聞いたことによって、僕の言っている事に対する納得の度合いが上がったのです。
これの最たるものが、肩書き(医師・有名人)で判断するということでしょう。
なにはともあれ、【脳と痛みの関係】の理解者がまた1人増えました。
まとめ
ぎっくり腰は脳疲労がベースにあり、その上でちょっとした動作でも起こる急激な腰痛のことを指します。
痛みは強烈ですが、腰の損傷はなく早期に改善するものであるが不安や対処法を間違えると長期化する恐れがあります。
その為にも従来の理論に固執することなく、この記事の内容を読み返すことで改善のきっかけになれれば嬉しいです。
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