意外にも『何もしない』という事が大事!
なにかと慌ただしいこのご時世、気がつくと頭の中は考え事でいっぱいになっていませんか?
人には意識(顕在意識)と無意識(潜在意識)があるのはご存じだと思います。
脳の使うエネルギーの割合は
・意識活動 5%
・無意識活動 75%
・細胞の維持、修復 20%
といわれています。
この無意識活動の中に大きな可能性が秘められているのです。
無意識というと一見何にもしていない、活動停止のような状態かと思われていたが、何もしていない『ぼんやり』している時に重要な働きがあることが分かってきているのです。
その名は【DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)】
これまでは意識活動時の研究はたくさんされてきましたが、セントルイス大学のマーカス・レイクル教授は無意識活動時はどうなんだろう?と視点を変えて研究してみた結果、意外な事実が出てきました。
何もしていない状態の他にも自己を客観視した時、まばたきをした直後などに起こる脳内での血流の変化や離れた場所で同期して活動していることが分かったのです。
なにもせずぼーっとしている時にも、無意識は活動を強め脳全体の神経回路を自動で調節してくれているようです。
ただし、腑抜けになってボケーっとするのではなく、目的をもってぼんやりとするのが重要かと思います。
現代は、情報を浴びる量も機会も一昔前とは桁違いに多くなっています。
必然的に顕在意識(表面意識)に偏りがちになってしまうため、この無意識が現在注目されてきているのです。
現象としては起きているが、詳しいメカニズムはまだ完全には分っていません。
しかし、痛みの臨床において大きな可能性が秘められています。
BFI研究会でのデフォルト・モード・ネットワークの解釈
当院が所属しているBFI研究会では痛みを脳の視点から捉え、無意識下での情報処理に重点を置いています。
無意識に抑圧された感情が、意識に昇る時の扉の調節を行っているであろうデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)を次のように説明しています。
DMNは意識と無意識の境界にあってネットワークチャネル(信号伝達の調節弁)すなわち意識と無意識のあいだにおける信号(情報)のやり取りを調節すると同時に、脳全体の神経回路の流れを自律的に調整する役割を担っているのではないか。肉体の代謝バランスを自律神経が調節するように、脳の代謝バランスをDMNが整えているのではないか-に従うならば、BFI はDMNに働きかけて神経ネットワークを調律する効果があるのではないかと推度されます。
ど忘れした芸能人の名前を思い出す瞬間は、懸命に思い出そうとしているときではなく、まったく別のシーン(たとえば何も考えずにトイレで用を足している時など)にふと思い浮かぶことが多いわけですが、その“記憶が蘇る瞬間”というものがDMNが働いた瞬間であろうというのが筆者の推論であり、さらに何かしたわけでもなく込み上げてくる安静時の痛みやしびれも同じメカニズムのものであり、これらに対しては“DMN失調症”とも言うべき病態と見なすことができるのではないか、というのが筆者の見方です。
認知症の大多数を占めるアルツハイマー型認知症では有害なタンパク質(アミロイド-β)の沈着が発症の引き金になると言われています。このアミロイド-βが沈着する領域とDMNの領域がほぼ一致することが最新の研究で明らかになりました。そのためDMNの活動パターンを調べることで、認知症の早期発見に繋がることが分かってきたのです。
先述したとおりDMNは脳内神経ネットワークにおける膨大かつ複雑な信号の流れを自律的に調整する働きを担っていると考えられ(筆者の私見)、認知症ではまさしくそうした機能が破綻していると臆断されます。
したがってBFI はDMNの活動パターンを正常化することで、結果として認知症の予防に繋がることが期待されています。
~三上クリニカルラボ~ より引用
簡単ではないけど痛みから意識を離してみませんか?
長年痛みやしびれを抱えている方、強い痛みを抱えている方の中には一日の中でも長い時間症状の事を考えている傾向にあるようです。
意識が痛みに向かう→さらに痛みに執着→痛みの増強・固着
と負のスパイラルに陥ってしまいます。(マインドワンダリング)
それは、本当に治るんだろうか?仕事や家事を休めないのにというストレスがあるからだと推測されます。
痛みやしびれが脳で作り出される以上、さらに考え過ぎていては改善の妨げになってします。
なぜ痛み・しびれが出たのか?
なぜ痛み・しびれが取れないのか?
を知ることにより、不安は軽減されるはずです。
そのためのお手伝いを全力でさせていただきます。
一緒に快適な生活を取り戻しましょう!
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