定期的に三上先生の講義を聞いている人にとっては、なぜ《脳なのか?》が理解できますが、そうでない人にとっては敷居が高いように感じます。
そこで、現在のBFIにたどり着くまでの歴史や外傷も含めた臨床経験から見出された見解を一日を通して学んできました。
医療者向けの内容も含まれていますが、今までの常識を変えるきっかけになると思うので、そのつもりでお読みください。
今までの常識を根底から覆さないと痛みは理解できない
整形外科の歴史は子どもの変形を矯正する所から出発しました。
【曲がったものを真っすぐにする】というアイデンティティーが根底にあるので、最後には手術という選択肢から抜けられないんですね。
慢性痛という概念はまだ歴史が浅く、痛みを診るようになったのはここ数十年の事です。
この《変形を直す事》と《痛みを治す事》を混同して考えているから、いつまでたっても痛みで苦しむ人が減らないんですよね。
この形態異常=痛みという所から完全に抜け出さないと、痛みの真実は見えてこないんです。
こういった基本的な事からセミナーは始まり、どんどん深い講義になっていきました。
途中、ヒートアップしてきて『ピーー』が入る発言も飛び出しましたね(笑)
なぜ弱い刺激の方が痛みの施術に適しているのか?
今でこそソフトタッチの方法を取り入れている施設は増えてきていますが、まだまだ暴力的な施術を行っている所はあります。
完全に思考停止している者は論外ですが、「そんな弱い刺激で変わるはずがない」と医療者でさえも考えています。
そんな状況なので、『求められるからやる』という損得勘定から抜けられないんですね。
本来、弱い刺激の方が体や脳がキャッチする情報量に敏感に反応するんですよ。
なぜなら、ある一定の以上の物理的刺激は脳が『攻撃』とみなすからです。
防御反応で筋肉は硬くなりますし、感覚受容器が狂ってしまいます。
強い刺激に慣れてしまうとさらに強い刺激を求めてきますが、純粋な効果は期待できませんし体重を乗せた分だけ比例して知覚してもらえる訳でもありません。(ここはウェーバーフェヒナーの法則を例に出して解説されていました)
自分というフィルターを通してインプットしているうちは正確に理解はできない
今まで培ってきた知識や技術、それに伴う症状改善という結果が邪魔をして、新たな情報のインプットをする際に自分というフィルターを通して理解しようとするので100%でインプットできないんですよね。
過去を否定するのは難しいように感じるかもしれませんが、「本気で痛みの真実を知りたい」という事であれば変なプライドは捨てて素直に受け入れてしまえばいいだけなんですよね。
それができないのは、単なる損得勘定でしかありません。
以前にも書きましたが【脳と痛みの関係】を理解するには、今までの情報に上書き保存するのではなく、ハード論(肉体次元の原因論)を一つ一つ消していき、形態異常は痛みの原因ではないという事を完全に理解してようやくスタート地点です。
そうなれば、いくつも技術系のセミナーに高いお金を払ったり無駄な時間を費やす事がなくなります。
たまにいるんですが、BFI研究会代表である三上先生の話を聞いて、自分なりに解釈してその内容を誰かに話をすると歪められて伝わる事になります。
「そんな事言ってねーよ」って事が起こるんですね。
それは誰の為にもならないので本当にやめてほしいです。
脳と痛みの関係を理解する近道は?
本当は三上先生の話を定期的に聞く事なんですが、現実的にはなかなか難しいです。
その為にFacebookグループを立ち上げました。
はっきり言って、参加しているだけでは何も起こりません。
ROM専(投稿を見てるだけ)ばかりだと、どの程度理解しているのかがわかりませんし本気度が見えてこないんです。
先ほども書いたように情報が歪んで伝わってしまったり、歪んでインプットしたものをセミナーで使われたりする恐れがあるんですね。
そういった懸念もあり情報を出すのに躊躇しているのも事実です。
なのでビックリするくらい動きは少ないです(笑)
ですが、積極的に投稿したりコメントしてくれる先生は『別の場』に招待しています。
そこでは生々しい情報が垂れ流しされていて、面白いだけではなくかなり勉強になってます。
僕たちはただの研究者ではありませんし、根拠を無視した結果オーライの施術者でもありません。
本気で学びたい先生が増えて、今のグループが活発になったらまた違った形で場を提供したいと考えていますので、その気になったらご連絡ください。
まとめ
元々はAKAから出発した会ですが、今ではハード(身体)ではなくソフト(脳)に完全にシフトしています。
当初は戸惑いもありましたが、今では完全に腑に落ちています。
いつまでもガチャガチャ身体にアプローチしていては取り残されてしまいますよ。
決めるのは今です!
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