ゴムが身体の不調に及ぼす思わぬ落とし穴 ~ゴム紐症候群~

ゴム紐症候群 書籍

ゴム紐症候群って知ってますか?

現在、下着・衣服等に当たり前のように付属しているゴムですが、実は身体にとっては厄介な存在なんです。

それこそ乳幼児の時から身近にあり、便利でもあるゴムが身体の不調の元になっている要因の一つだとしたら・・・どうしますか?

 

冷え性・便通異常・頻尿・動悸・腰背部痛・生理痛・浮腫・皮膚症状・アレルギー・精神関連などなど、その数は千種類以上にも及ぶのだとか!?

それら不調の総称が【ゴム紐症候群】

僕は症状に対して何でもかんでも病名をつけるのは反対なんですが、このゴム紐症候群に関してはもっと認知されるべきだと感じます。

まぁゴムなんてのは当たり前のように存在してるわけで、特別不調を感じていなければ疑問に思う事もないでしょうし、「そんなの関係ない」と言いたくなる気持ちもわかります。

 

僕は脳の機能から皮膚の感覚受容器の働きなどを学んで知っていて、施術によりその臨床結果なども体感しているので、別にナンチャッテでもなんでもなく当然の反応だなと思います。

でも、この脳と皮膚の関係(脳膚相関)を知らなければ、ゴム紐症候群の事はきっとスルーしていたでしょう。

 

ゴム紐症候群が誕生した背景

1960年(昭和35年)ころ、下着メーカーがひも付きパンツの製造を中止し、ゴムの下着・女性のパンストが普及しました。

高知県の見元良平医師は、この頃から女性の顔にシミが増えたり肌の艶がなくなってきた事に気づき様々な症例の臨床データの蓄積と解析を始めました。

ゴム紐症候群 資料

 

すると、患者の入院中はゴムを除去した生活をしているので症状は改善しますが、退院し通常の生活に戻ると再発するという偶然とは思えない症例が多くあったのです。

*当時のゴムは現在のものよりもかなりきついものでした

 

この時代は、高度経済成長で環境の変化も著しかったため様々な要因が重なっているでしょう。

見元医師も鑑別診断として、ゴムを除去した上でそれでも残った症状に対し治療を勧めるよう提言していました。

 

おまけ

よく昔の人は現代人より体力があったと言われていますが、実際に会った事も見た事もないんですけど、写真は残ってます。

米俵を担ぐ女性 子どもを乗せた桶を頭上で支える女性

 

ゴムだけでこれだけの違いが出るわけじゃないんですけど、現代は弱体化する要素が多すぎるんですよね。

 

なぜゴムがダメなのか!?

ゴムが身体を締め付けるというのは想像できると思います。

では、なぜゴムの締め付けが身体に悪影響を及ぼすのでしょうか?

ゴムが絶えず体に持続的な刺激を与えることにより、毛細血管のけいれんを招き、自律神経の病的な反射を起こすことで、その結果として全身の様々な症状や病気を引き起こしている。

~月刊基礎知識~ より引用

 

僕の個人的な考察

毛細血管の痙攣に関しては、正直わかりません。

*追記:見元先生は【毛細血管の痙攣】とはハッキリ明言していませんでした。

 

実際に毛細血管の痙攣を確認したというデータを知らないですし、毛細血管の痙攣がどこまで作用するのか判断しかねます。

ただ、自律神経に及ぼす影響は間違いないです。

そこには皮膚の感覚受容器及び関節受容器が関与しているのです。

 

皮膚の感覚受容器には振動を感知するセンサーが存在します。
振動と毛細血管の痙攣てなんとなくニュアンス似てると思いませんか?

僕はここが重要なカギを握っているんじゃないかと感じています。

 

このセンサーからの情報は最終的には脳に到達します。

自律神経の中枢は脳にあるので、機能異常を起こすことは容易に想像できます。

昔のように明らかにきついゴムであれば、すぐに不快なものと認識し症状が出るので気づきやすいんですが、今のゴムは性能が向上していてあまり意識に昇らないような締め付けになっています。

この意識に昇らない刺激が、かえって事態を深刻にしてしまっている可能性があるのです。

 

武術研究者の甲野善紀氏も次のように述べています。

病気の回復や健康の改善に良いと言われる事を行っていたとしても、ゴム類による衣服の装着を行っていれば、その体の回復力・体の状態を良くしようとする働きの足を引っ張っている事は間違いないと思う。

甲野善紀氏のTwitterより引用

 

ゴム紐症候群を現代に蘇らせた治療家

浜島貫先生という人がいなかったら、ゴム紐症候群がこの世から完全に忘れ去られてたかもしれません。

この浜島先生が見元先生の関係者の承諾をもらい、資料を集めたりブログでゴム紐症候群を紹介しています。

浜島先生のブログはこちら→ゴム紐症候群について

浜島先生はヒモトレを導入し、紐から衣服の起源を調べているうちに見つけた見元医師のゴム紐症候群に出会ったという経緯があります。

調べるほどにゴムの身体に対する影響を知り、浜島先生ご本人もゴムを除去した生活をされています。

浜島先生のTwitterには全国の脱ゴム実践者からの情報が届いています。→浜島先生のTwitter

実際の臨床経験としても、ガードルやボディスーツを脱ぐと症状が改善するといった症例もありました。

その当時は深く考えてはいませんでしたが。

 

ゴムを除去する生活とは?

現代人がいきなりゴムを完全に除去するのは不可能だと思います。

見元医師も述べたように、とりあえず夜寝る時だけでもゴムなしで過ごすとこから始めるのがいいかもしれません。

 

具体的には

・下着をつけない(パジャマもゴムなし)
・メッチャでかいTシャツだけで寝る(下着なし)
・浴衣で寝る(下着なし)

 

ここからはハードル上がります(笑)

・ふんどし
・ひもパン
・全裸

 

「今どきふんどしはないわ~」って思いますよね?

一時期、【脱パンツ健康法】ってのが流行ったらしいんです。

その時は大手下着メーカーも『ふんどし』を作ってはみたものの・・・いかにも的な、いわゆる

THE・ふんどし

だったようで・・・そりゃ売れないよね。

ただ、今はデザインも変化してますし、就寝時に脱ゴムをして身体の変化に気づけたら興味が出てくるかもしれません。

脱ゴム実践者の中には、自ら手作りしている方もいますし販売サイトを設けている方もいます。

まとめ

・ゴムによる身体への影響は、脳と皮膚の関係を知ることで納得ができるでしょう。

・気になった方は、とりあえず就寝時の脱ゴムから試されてはいかがでしょうか?

・見元先生の著書が絶版になっており、非常に入手困難のため情報が少ないのが難点である。

 

・人間という複雑系で非線形科学で説明されるべき対象は、現在の主流であるEBM(根拠に基づく医療)では解明しきれない部分もあるので、身体の反応で確かめてみてください。

 

だからと言って科学が無力だとは思っていません。

今後の発展により、今よりも解明される事は期待しています!

脳・皮膚・自律神経、これら複合的な観点からヒトの痛みを診ているマナ整体ラボは、難治性症状にも対応しております。

皮膚のセンサーは非常に敏感なものです。

靴の中に入った小さな石でも感知します。
肌着に刺さった短い髪の毛も感知します。

そんな敏感な皮膚に対して強い施術は避けるべきなんです。

脳と皮膚の関係を熟知している当院だからこそ、ここは強調します。

なかなか改善しない症状でも、諦めずにご相談ください。⇒マナ整体ラボへのお問い合わせ

 

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