2016年9月2日 FDA(アメリカ食品医薬品局)はトリクロサンなどを含む一部の抗菌石鹸やボディーソープを販売禁止にすると発表がありました。
~読売新聞 より画像出典~
それを受けて日本の厚生労働省も抗菌成分を含む石鹸を、これらの成分を含まない代替品に切り替えるようにと通知を出しました。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000138223.html
知ってる人からしたら「今さら?」って感じでしょうか
今や日本でも当たり前のように売られている殺菌・抗菌成分入りの商品、いかにも菌がいなくなると言わんばかりに宣伝されています。
しかし、アメリカのFDAがそれらの効能に科学的根拠なしと言ったもんだから・・さぁ大変。
これだけ殺菌・抗菌商品が出回っているのに一年中何かしらの感染症のニュースが流れています。
いったい本当に効果があるのか疑問に思っていましたが、これで少しは流れも変わってくるでしょうか
。
人の皮膚には常在菌がわんさかいて当たり前
実際には目に見えないだけで、人の皮膚にはビックリするほどの常在菌が存在しています。
その数、なんと1兆個!!
菌はいて当たり前なのです。
免疫がしっかり働いていれば特別悪さはしませんし、逆にいい面があるのです。
それを、病気にならない為にと洗い過ぎてしまっては常在菌のバランスが崩れ皮膚のバリア機能が落ちてしまいます。
ものすご~~く極端な話、そういった菌から守りたければ無菌室に閉じ込めておけばいいって話です。
普通の人にそんなことできませんし、無菌人間ではちょっとしたことで感染症にかかってしまいます。
どこからが安全でどこからが危険なのかって線引きは誰にもわからないことなので、そこに焦点を当てて反発するならお好きなようにしたらいいと思います。
なにも手術器具を滅菌しなくたって平気って言ってるわけではないので。
あまりにも清潔すぎるのも問題ですし、菌を敵視しすぎないようにしたいですね。
弱酸性の製品にも疑問が・・?
人の皮膚は弱酸性に保たれています。
だから身体を洗うのも弱酸性がいいというのは理屈ではわかりますが、それがかえって皮膚の働きを低下させる原因にもなると考えられています。
本物の石鹸はアルカリ性です。
そのアルカリ性で洗うことにより、洗浄後には皮膚が再び弱酸性にしようと懸命に働いてくれるんです。(これを恒常性といいます)
*恒常性とは生体の内・外部の環境因子の変化にかかわらず生体の状態が一定に保たれる性質や状態のことを指します。
例:体温が上がったら下げる・血圧が上がったら下げる・phが変化したらもどす
この恒常性のおかげで皮膚の機能が強化されるのです。
弱酸性で洗ってばかりいると恒常性が働かなくなり、皮膚のバリア機能が低下してしまう可能性も考えなくてはいけません。
そのせいで感染症にかかりやすくなるとも考えられます。
明らかに昔よりアレルギーと言われる症状が増えてますし。
シャンプー・歯磨き粉にも疑問の声が・・・
挙げだすとキリがないほど安全性を疑問視する化学物質がありますが、使ってすぐに反応が出るような急性毒は製品として出回らないでしょう。
長期間の使用でどういった害が出るかわからないからこそ、色々な意見があるのです。
これらの安全については人によって基準が違うので決めつけはできませんが、後になって後悔しないように選択してほしいです。
無添加表示にも注意
無添加と表示されているのによく見るとカタカナ表記がいっぱい書かれているのを見かけます。
確かに合成界面活性剤無添加や蛍光剤無添加など一部の成分は使用してないという意味では間違ってないです。
ただ、あまり詳しくない方は表示にだまされてしまいます。
別に入っているからダメということではなく、「嘘じゃないし上手く騙せるだろう」って魂胆が見え隠れしてるのが腹立たしい感じがしてしまいます。
これは食品にも言えることですが・・・。
まとめ
人には常在菌が当たり前にいて、それらのおかげで皮膚の機能は正常に保たれている。
殺菌・抗菌の名のもとにやっつけてしまうと皮膚のバリア機能が低下し、かえって悪影響をおよぼしてしまう。
人類は菌との共生が大事なのです。
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