脳と痛みの関係を理解すれば不思議なことではないのですが、ヒトの痛みについて話を聞いただけで症状が楽になることはあります。
身体をいじる前に変化が出るという、多くの方にとって「んな訳あるかい!」という話です。
スピリチュアルではなく、脳という現実に起きている世界の解説になってます。
ゴミ置き場の掃除で水の入ったバケツを持って腰痛に
75歳 女性
地域のゴミ集積所を掃除していて、水の入った重いバケツを持ち上げた時、突然強い腰痛が出て徐々に右脚にまで痛みが広がってきました。
・腰の痛み
・お尻~右脚の痛み(じっとしてても痛い)
・歩くのも痛い
・足部のむくみ
その他、耳鳴り・冷え性・不眠(以前は睡眠薬飲んでた)
既往
・腎盂炎(1週間寝たきりで、半月ほどで治った)
今回の痛みのきっかけがハッキリしてる事、今までの既往歴をお聞きした上で「今は辛いけど、きちんと改善します」と説明しました。
その根拠として、画像診断(骨の変形)は症状と関係ない事と、自律神経症状があるので痛みが強く出ているが、痛みに対する不安や心配が減れば症状は軽くなるとお伝えしました。
脳疲労の説明をした上で、「最近、脳疲労に繋がるような事はありませんでしたか?」とお聞きしたところ、
・足のむくみが酷いから心臓の検査を受ける事になり心配。
・孫たちが遊びに来て、楽しかったけど疲れた。
ざっと簡単に書くと、こんな事がありました。
ネガティブな事だけじゃなく、楽しいというポジティブな状況であっても脳疲労に繋がることがあります。
今回はその両方を抱えた状態で、重い物を持った時に腰を痛めたのでした。
痛みの説明を聞きベッドに移動したら痛みが楽になっていた
先ほどの説明のところでも書きましたが、ヒトの痛みというのはただの加齢だけでは起きません。
たとえ骨が変形していても、痛みのない人はいます。 高齢者に多い脊椎圧迫骨折(いつのまにか骨折)であっても同様です。
テレビCMで、さも重篤な病気のように扱われていますが、実際には【骨粗しょう症】自体は無症状なのです。
腰痛患者200名と健常者200名のX線写真を比較した研究によると、両群間に変形性脊椎症、骨粗鬆症、椎体圧迫骨折などの異常検出率に差は認められなかった。したがって老化による解剖学的変化が腰痛の原因とは考えられないと結論。http://1.usa.gov/jb0ly3
変形性脊椎症だろうと骨粗鬆症だろうと椎体圧迫骨折だろうと、症状もなく健康的に暮らせるということが明らかになっているのです。レントゲン写真のシミやシワを見せられて不安になる必要はありません。
~TMSジャパン 公式ブログ~ より引用
こういったお話から痛みの詳しい説明などをし、「ちゃんと良くなるから心配する必要はありませんよ」とお伝えしました。
そして、ベッドへ移動し徒手検査をしようとしたところ、「なんか来た時より痛くない」とおっしゃいました。
僕の中では特別不思議な事ではないんですが、患者さんはビックリされていましたね。
頭の中で安心スイッチが入れば、こういった事は普通に起こります。
これこそが、痛みは身体の問題じゃなく、脳(感情・思考)が関係しているということなのです。
施術により痛みだけではなく足のむくみも改善
実際に施術をし、順調に痛みは改善されていきました。
そして、心臓の検査を受ける前に、足のむくみも改善したのです。
この現象を「科学的に説明しろ!」といわれても難しいのですが、今までにも多くの症例で経験してますし、他の先生方からも同様の報告を受けているので、それでいいと思っています。
その後、心臓の検査を受けた結果も『異常なし』という事で、患者さんも安心できたようです。
まとめ
不思議なスピ系でも、魔法でもなく、脳と痛みの関係を解説してきました。
世間で言われている、年のせい・筋肉の衰えなど、いわゆる加齢は痛みの原因にはなりません。
この事を、「一人でも多くの方に、心の底から理解して欲しい!」という思いで発信しています。
そうすれば、今回の患者さんのように話を聞いただけで痛みが軽くなるというのも頷けるはずです。
どうせなら希望のない説明をする所より、「良くなるんだ」という希望をもてる話を聞きたくないですか?
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