踵の痛み 成長期のシーバー病と大人の有痛性踵骨棘の共通点

踵の痛み

スポーツをしている成長期の子どもで踵が痛くなる事は珍しくはありません。

しかし、数か月も痛いままというのは何かしら原因があるはずなのです。

場合によっては治すつもりが逆に長引かせてしまう事もあるので、特に子どもの治療には要注意です。

子どもの踵の痛みについて

子どもの踵の痛みで代表的なものは、いわゆる成長痛といわれる【シーバー病】です。
正式には【踵骨骨端症】と呼ばれています。

子どもの場合は骨が成長する過程でまだ軟骨が残っていると、その部分に負担が蓄積されやすくなります。

原因としては主に運動量の増加運動の仕方の間違いなどにより起こります。

特に走ったり、跳んだりの競技に多く見受けられます。

症状として

・足をつくと痛い
・歩くのは平気だけど走ると痛い
・運動の初めだけや運動中に痛くなる

など様々な痛みを訴えますが、基本的には何もしていない安静時には痛みを訴える事はありません。

運動のし過ぎによる痛みであれば、運動を中止することにより症状は落ち着くでしょう。

問題なのは、なかなか痛みが取れない場合です。

練習が休めず負担が蓄積してしまったり、治りかけで復帰し再受傷してしまうケースもありますが、この場合は指導者に状況を説明する事で対応できます。
時には顧問の先生に症状の説明を文章にして渡すこともあります。

特に気をつけなければいけないのが

・その競技をする事に疑問が生じている
・チーム内での軋轢・レギュラー獲得のために無理をしてしまう
・コーチや親の期待に応えようと我慢する

など子どもの難治性の痛みにはこのような背景を考える必要があります。

こういった場合には、患部を施術しているだけでは症状に変化のないこともあります。
さりげなく情報を聞き出し、抑圧されている事があれば、脳の活性化を鎮める方法も取り入れなければいけないケースも経験しています。

子どもが長引く痛みを訴えるには何かしらの原因があります。
心配しすぎも無関心も良くありませんので、何気なく注意を向けてみて下さい。

 

数か月も踵が痛かったが改善した症例

運動会で足首をケガし越谷市から来院されました。

11歳 男児

元々右の踵に痛みがあったが、運動会で50m走の途中で左足を怪我してしまいました。

元々の踵の痛みが良くならない上に、今度は左足まで怪我をしてしまい、何かいい方法はないかとググった結果、当院がヒットしたようです。

右踵の痛みは5か月前からあり、他の接骨院へ通院していました。

施術を受けるも症状の変化がなく、親御さんが心配になり整形外科を受診しました。

レントゲン検査の結果は・・・異常なし。

また同じ接骨院へ通院し施術を継続していたが、なかなか改善の兆候がなく、挙句の果てには「生まれつきの骨格のせいだからしょうがない」という感じで言われてしまったようです。

本人と親御さんに今までの経緯を詳しくお聞きし、ある事がわかりました。

それは・・・・・

子ども 痛い

接骨院での施術が痛い!

ふくらはぎをガンガン揉みほぐされていたと。

痛みを改善させる為に来てるのに、さらに痛みを与えるという愚行。

痛みのメカニズムや痛みなく改善させる方法が解明されているこの時代に、なんと無謀な行為なのでしょうか

昭和の時代ならいざ知らず、現代では一部の人を除いてそんな事をしていたら悪化する患者さんは増える一方です。

おそらくCRPSという病態を知らないのでしょう。

痛みの刺激が頻回にあると、その痛みを伝える回路が強固になってしまうのです。
すると、通常では痛みを感じないような刺激でも脳は痛みの信号を出してしまう状態になってしまいます。

これが痛みが改善しない大きな理由の一つです。

本人が陸上の練習や野球の練習は休みたくないと言うので、痛みの状態を観ながらの条件付きで許可しました。

初検から11日後(この間3回施術)、当院に来る前は走るとすぐに右踵が痛くなっていたが、時間が経ってから出るようになり痛みの程度も少し軽減していると。

この時点で左足は、ほぼ問題ないくらいまで回復していました。

さらに1週間後に来院し、陸上大会が終わり走る量が減ったこともあり右踵の痛みも感じていないようでした。

体育の時間や休み時間などで走り回っても痛みは出ていないと。

あとは野球の練習をしての経過観察は必要ですが、痛みのコントロールはうまくできている状況です。

久しぶりの野球

毎週末雨に降られ野球の練習ができずにいたが、強制的に休まされた事も足にとっては好影響だったでしょう。

 

ダッシュ

 

暫くぶりに晴れ、野球復帰がいきなり中1日の2日間の試合でした。

正直、ちょっと心配はありましたが、本人に試合の様子を聞いたところ「痛みが出ることなく最後まで出来た」そうです。

 

 

大人の踵の痛みについて

大人の踵の痛みで代表的なものは【足底筋膜炎】【有痛性踵骨棘】です。

足底筋膜炎とは土ふまずを形成している部分が過緊張を起こすことによって、足をついた時に十分な伸縮がなく痛みが出る疾患です。

有痛性踵骨棘とは足底筋膜が踵の骨に付着している部分で骨がトゲのように形成されたものをいいます。

骨棘ができるという事は、そこに長年の負担がかかっていたのは事実ではあるが名前の通り【有痛性】があるなら【無痛性】もあるので、一概に骨棘があるから痛いという訳ではありません。

 

痛みは無くなっても骨棘はそのままという事も良くあるので、過剰な不安は禁物です。

 

痛みは踵にあっても足にはたくさんの骨があり、その分関節も多くあります。

踵の骨とその上に乗っている距骨、足根骨など様々な関節が適切に連動するようになれば痛みはなくなります。

それでも痛みが残る場合には、子どもの所でも説明したように痛みを感じるようになる背景に目を向けてみて下さい。

意外かもしれませんが、脳疲労・感情のねじれ・ストレスなどにより痛みを感じやすい状態にあった上で、普段から負担のかかっていた場所に症状が出ているケースも多く見受けられます。

いずれにしても、骨に何かしらの変化があっても痛みの原因ということではないので心配はいりません。

諦めることはありません。

普通に改善するものです。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です