変形性股関節症というとなかなか改善しない方も多くいると思われます。
しかし、この記事を理解していただければ変形の進行を食い止める事ができますし、手術をせずに済むでしょう。
最後に実際の症例も載せてありますので是非最後までご一読ください。
先天性股関節脱臼後の臼蓋形成不全でも痛みはない
現在、赤ちゃんは生まれた直後に足を開いて股関節の脱臼がないかを調べます。
昔はこの検査をしていなかったので、脱臼したまま(先天性股関節脱臼)大人になった方が意外とおられます。
臼蓋形成不全とは股関節の骨盤側の受け皿が浅くなっている状態です。
これが痛みの原因だと言われていますが、全員が痛みを発症するわけではありません。
進行してくると股関節の動きに支障が出るだけでなく、脚長差(左右の足の長さが違ってくる)のために歩く時に常にびっこを引く感じになってしまいます。
そうなってしまうと骨盤での代償運動にも限界がきて他の場所の痛みも出てしまう事が多くなってくるのです。
変形が高度でしかも痛みも強いとなると手術で人工股関節に変えるという事になってしまいますので、そうならない為にも早期に変形性股関節症の正しいアプローチが必要になってきます。
ちなみに、僕は左の先天性股関節脱臼がありましたが、治療をし幼少期から普通に運動してましたし、小学生からは柔道もしていました。
現在も股関節に痛みはまったくありませんし、今後の心配もしていません。
なぜなら痛みの原因や改善の道筋を理解しているからに他なりません。
なぜ股関節の変形が進行してしまうのか?
初めは痛みを感じているだけだったのに、次第に動きに制限が出たり足の長さが違ってきたりと日常生活にも支障が出てきます。
この足の長さが違うというのは、『骨盤や背骨がゆがんでるから』なんて次元の話ではありません。
なかには短期間で進行していく症例もあります。⇐僕の変股症を観る基準はここです
変形が起きる要因で1番重要なのが『痛み』です。
強い痛みを感じていると変形が進行しやすくなります。
この強い痛みがでる元凶となっているのが脳代謝バランスの崩れ、すなわち感情の捻れやストレスがあります。
重度の変形性股関節症の患者さんを多く観てきて、これは間違ありません
ストレスなどの中身は人それぞれでしょうが、大きくて深いものを抱えているケースが圧倒的に多いんですよね。
そこに痛みも出てしまっては心理的に追い詰められても仕方ありません。
そういった意味もあり、重症になる前に痛みについて真実を知ることで変形の進行を食い止め、痛みから解放されるように施術をする所を探すべきです。
どうすれば股関節の痛みが良くなるのか?
まずは脳と痛みの関係を知ることです。
そこを知らずに治療を受けたり、筋トレしたり、サプリメントを飲んだりしても遠回りになる事が多いです。
ちょっとしんどいと感じる方もいるでしょうが、なぜその痛みが出たのかご自分の内面と向き合ってみてはいかがでしょうか?
「なんで関節が痛いのにそんなことしなくちゃいけないの?」と思う方もいるでしょうが、世界的に見ても痛みと脳の研究は進んでますし、長年の臨床経験からも確信を持っているので、ぜひ実践していただきたいです。
怒りの感情・先の不安・なんとも言えないモヤモヤ…何かしらはあるでしょう。
そういった感情を持つ事は自然なことですし、無理やり蓋をする必要はありません。
そこさえある程度腑に落ちれば、なにもつらい治療やリハビリをする必要はなくなってくるのです。
当院のような極微弱な刺激の施術でもきちんと良くなります。
筋トレやストレッチは痛みがなくなってからでいいのです
痛みを取るために筋トレをする。
この発想がもうナンセンスだと思ってます。
痛みが強くて運動ができない人はどうしたらいいんでしょうか?
筋肉をつけないとダメだと言われた人が、その筋トレも出来ない状態だとしたら……よけいに「このままじゃ治らない」と思いこんでしまってもおかしくありません。
どんどん負のスパイラルに陥ってしまって、挙句の果てに良くならないから手術するというパターンが多いのです。
きちんと痛みが無くなってから運動をした方が効率もいいですし、痛みをかばう事も少ないので他の場所の痛みも起きにくくなります。
あまりにも【筋肉つけろ説】が広まっているので、発想を変えるのは大変かもしれませんが実際に運動しなくても良くなっている患者さんはいます。
人工関節の手術をすれば解決するという問題でもない
全国には人工関節の手術の名医といわれる先生がいますが、患部を取り換えるという意味では素晴らしい技術を持っているのでしょう。
しかし、それで完全に痛みと無縁の生活を取り戻した方はどれほどいるのでしょうか?
全ての症例を診た訳ではないですが、術後も痛みを抱えている患者さんは多数実在します。
他の手術でもそうですが、術後も症状が残っている患者さんに向かって言うセリフが「手術は成功しました」です。
たしかに患部を取り換えるという意味では成功したのでしょうが、一番困っている痛みが残っていては患者さんからしたら「何が成功なんだ?」って思ってしまいます。
手術にはリスクが伴いますし、術後の生活にも制約が出てきます。
若くして人工関節の手術をした方は耐久性の問題があり、もう一度入れ直さなければなりません。
手術をしないで良くなるのであれば、しないに越したことはないとは誰もが思うでしょう。
脚長差(足の長さの左右差)に対するインソールの装着について
左右の脚の長さが変わってしまったものに、その差を解消する目的でインソールを装着することがあります。
それで痛みがなくなればいいのですが、なかには変化がないばかりか他の場所に痛みが出てしまうことがあります。
病院勤務時代、そういった患者さんに対して骨盤の動きを回復させるAKA博田法を実施していましたが、例外なく骨盤の動きが不安定になっていました。
骨盤の動きも良くない、症状も安定しない患者さんにインソールを外してもらうと痛みや骨盤の動きが安定する症例が少なくありませんでした。
改善していればそのままでいいんですが、そうじゃなければ無理にインソールをし続ける必要はないでしょう。
なぜBReIN療法によって股関節の痛みが改善するのか?
そもそも痛みの発生源は脳にあります。
その脳で起きている代謝バランスを改善することで痛みなどの症状がなくなってきます。
まだ実際の現象に科学が追いついていないので完全な証明がされていませんが、いずれはそんな日が来ると科学に期待しています。
変形があっても、脚長差があっても痛みのない方はいるので諦めることはありません。
それでは実際に当院に来院された患者さんの症例をご紹介します。
重度の変形性股関節症だが痛いのは太ももだった症例
75歳 男性
夜中にトイレに行くのに立ち上がった時に太ももに痛み出現。
症状
・歩く時の痛み(特に夜中にトイレに行く時)
・ちょっと力を入れると太ももがつる感じになる
既往
・左先天性股関節脱臼
・左大腿骨骨折 手術 (抜釘済み)
左右で足の長さが違うので、歩くのは常にびっこを引いています。(脚長差約10センチ)
実際に股関節のレントゲン写真は見ていませんが、明らかに股関節の変形が認められます。
画像診断を絶対視している医療者からしたら、股関節に痛みがあると決めつけるでしょうが、この患者さんは全く痛みを訴えていませんでした。
純粋に関節の変形が痛みの原因であれば、本来は考えられない事です。
なぜこのような現象が起きているのでしょうか?
答えは、骨の変形自体は痛みの原因ではないからです。
変形している場所は負担がかかりやすいので、結果的に痛みが出やすいという事はあっても、変形そのものが痛みを出すわけじゃないんです。
ここの違いをわかっていただきたいので何年も画像診断の間違いを指摘し続けてるのです。
太ももの痛みに対する施術
患者さんは足の長さが違うため、歩く時は常にびっこを引いています。(専門的には跛行といいます)
そのため、その影響は腰を含め身体全体に及ぶ事が考えられます。
その結果として、今回は太ももに症状が出たのですが、もしかしたら股関節に出ていた可能性も否定できません。
もし、そうだったとしても結果であって原因ではないという事は覚えておいてください。
実際の施術は今までのことも踏まえ、痛みという感覚の一番の中枢である脳(脳疲労)に対してBFI療法を行いました。
ヒアリングの際、ハッキリと内容までは深く掘り下げる事はしませんでしたが、ストレスを感じる事象はいっぱいあるとは言ってました。
これらは必ず脳疲労に繋がります。
現代はこういった事から身体に症状が表れている患者さんが非常に多いので、ただ身体だけにアプローチしていても根本的に改善しない事が多いのです。
歩き方は変わらないが痛みは消失
施術を重ねていくうちに3週間程で左太ももの痛みは改善しました。
変形のある左側の方が早く良くなったのです。
右太ももの症状は変化に波がありましたが、初めに訴えていたすぐにつる感じは早期に改善していました。
この方は複数の役員をされており、イベントの手伝いなどを多くされています。
動き過ぎた後などには太ももの痛みが強く出る事はありましたが、回復までの時間が短縮できていたようです。
2か月を過ぎたあたりからは、一番の気がかりであった夜中にトイレに行く際の痛みが出なくなりました。
もちろん変形が改善した訳でもなく、歩き方も変化はありませんが症状はきちんと改善されたのです。
まとめ
股関節の変形=痛みではないので診断されたとしても心配する事はありません。
ただし、変形が進行してしまうと経過が複雑になってくるので早い段階で適切な情報と対処が必要だと考えています。
筋トレやストレッチは必ずしも必要ではありませんが、どうせやるにしても痛みが改善してからでも遅くはありません。
一昔前の情報だけしか知らないとだいぶ損しますし、大事なご自分の体ですので情報の見極めは重要ですよね。
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