昨今のリラクゼーションブームにより、気軽に揉みほぐしが受けられるようになりました。
大手のチェーン店は事故などのリスク管理もあり、際限なく刺激を強くする所は減ってきているようですが、接骨院等においては未だに強揉みしている所が多い印象があります。
施術する側にも【求められるからやる】という安易な行為が思わぬしっぺ返しになる事もあるので、十分注意していただきたいです。
天文学的確率で強刺激信者の方でも、そこから抜け出す事のできる患者さんも存在します。
そのおかげで悲惨な状況から脱出できたという、そんなお話です。
草加市から来院 毎回ゴルフ後は悲惨な状態に
53歳 男性
主訴
腰痛・頚痛
既往
腰・・・7年位前に、シャワーを浴びていて後ろに転倒し、動けない程の痛み。
それ以降、頻繁にぎっくり腰のようになっている。
首・・・10年前に左上肢にしびれを感じ、脳外科では問題なし、整形外科で椎間板ヘルニアの診断。
整骨院にて手技による頚椎の牽引をされ症状が落ち着いた。
モトクロスやロードレースをしていて骨折や靱帯損傷など複数の怪我をしてきた。
その後の経緯
腰・頚とも疲れが溜まってきたり、ゴルフの後はツライ状態になっていた。
特にゴルフのラウンドの後は悲惨な状態で、毎回ゴルフ帰りには整骨院で悶絶するようなマッサージを受けてきていたと。
そんな事を何年も繰り返してきたようです。
強刺激からの脱却
当院に来る9日前と5日前にゴルフがあり、例のごとく地獄のマッサージとハリ治療を計3回受けたが、あまり変化がなかったようです。
そこで、ある時知人から当院の話を聞いていたのを思い出し、来院したという経緯でした。
説明
気持ちいいくらいならともかく、我慢しながら受ける強い刺激は身体には非常に悪いと何回も念を押しました。
そして、画像診断による椎間板ヘルニアも症状とは関係がない事を強調しました
おそらく、初めは今までの刺激に比べたら雲泥の差があるので戸惑いが生じるでしょう。
しかし、痛みの改善にとってリスクの大きい強刺激は必要ないですし、それでも「やっぱり強い方がいい」という事であればそれまでの話です。
すべての人に理解され、納得されるとは思っていませんが、どうか気づいてほしい。
整形外科勤務時代を含めて、難治性症状を数多く診てきた経験と確信があるからこそ、自信を持って説明や施術をしているんです。
この患者さんは、初診時かなりツラい状態だったこともあり、翌日の日曜日に予約での施術を受けていただく事にしました。
*当院では、症状の強い方・長年の症状で困っている方には早期改善の為に予約施術を推奨しています。
そこでも画像診断や刺激の強さについて深く説明し、BFI療法を行いました。
5日後に来院。
症状はかなり楽になっており、腰のベルトもしなくなったようです。
これまで物凄いマッサージを受けてきたが、そんなものが必要ないという事が少しはご理解いただけたようでした。
ゴルフ後の腰痛に変化が
一概にゴルフと言っても、練習で何百球と打ってもさほど痛みは酷くならないようで、コースに出ると終わった後が悲惨な状態になっていたんです。
この事からも、単純な身体の負担で痛みが出ているんじゃないというのがおわかりいただけるでしょう。
打つ回数だけなら練習の方が圧倒的に多いんですから。
この事を説明して、患者さん自身も納得してくださりました。
痛みがあると細かい状況まで把握できないんですよね。
それを第3者が教えてあげられればいいんですが、深い問診や洞察力がないと、これができないんです。
今回の患者さんは仕事の付き合いで、どうしてもゴルフをしなくちゃいけないそうです。
この時点で感情の捻れは生じますし、さらに【ゴルフに行くと腰が痛くなる】と強烈にインプットされているので、今までは負のループから抜け出せなかったんだと感じます。
当院初診から4週間後、遂にコースに出てのゴルフがありました。
結果としては、腰・頚ともまだ痛くなる状態ではありましたが「今までよりかなり楽」だと。
さらに驚いたのが、翌日の身体の状態が今までと全然違って楽になっているようでした。
実際にグイグイ・ボキボキしなくても、こういった変化は起こるんです。
残るは脳疲労対策
痛みの原因論と方法論に関して理解をしてくださいました。
ただ、猛烈にお忙しい方で何か月も休んでなく、さらに「年内は休めないだろう」ともおっしゃってました。
こうなってくると肉体疲労ではなく、脳疲労の軽減が大事になってきます。
その為にも攻撃的な刺激ではなく、タッチケアの優しい刺激の方が脳の機能上有利に働いてくれるんです。
めちゃんこ頑張ってる患者さんの為に、今後も随時施術は継続していく予定です。
まとめ
痛みやしびれの治療や施術に必要以上の刺激はいりませんし、ましてや我慢するほど痛い行為は絶対に避けるべきです。
画像上で関節の隙間が狭かろうと症状とは関係ないですし、もちろんそれに対し何かを施す必要もありません。
まずは、あなたが画像診断から離れる思考が持てるように、僕も頑張ります!
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