陳旧姓の脊椎圧迫骨折(いつのまにか骨折)は基本的に無症状のことが多いんですが、病名が怖いイメージを持たせるので、なかなか本当の事が広まりません。
あなたはこれを読んでどう思うでしょうか?
目次
腰痛で来院した患者さん
88歳 女性
ちょっとした段差を飛び越えて着地した時に腰が痛くなり、翌朝起きたら激痛になっていたと。
既往歴
・1年位前に外傷(急性期のケガ)ではない脊椎の圧迫骨折で入院した
・高血圧 薬を飲んでいる
・睡眠導入剤飲んでる
来院時の様子
椅子から立ち上がるのもやっと、歩くのもゆっくり。
問診時はとにかく「痛い」しか言ってくれないので、息子さんにお話を聞くことにしました。
息子さんの話から視えた腰痛の事実
普段は娘家族と同居している。
娘さんたちは仕事をしているので、患者さんの今の状態では面倒を見れないので当院の近くに住んでいる息子さんの所に引き取られたと。
息子さんも仕事してるので困った様子でした。
圧迫骨折で入院した時は、転んだり尻もちをついたりハッキリとした原因はなかったようです。
ただ、痛みが強かったので入院することになったと。
患者本人に何度か確認したが、「早く娘のところに帰らないと」とは言っていたが「帰りたい」とは1度も言わなかった。
この事からどちらの家族にも気を使っているのがうかがえます。
圧迫骨折について説明し理解を得られた
まず、前回の圧迫骨折に関してはハッキリとした受傷機転がないことから潰れた骨が原因ではないと説明しました。
おそらく何かしらの環境の変化やストレスになるような事があったんだろうと。
今回の腰痛の原因としては些細な事なので、それがここまでの症状を出すとは考えにくい。
入院した時の記憶が蘇って不安・恐怖の感情が出た事によって、症状が強烈になってしまったと推測されることを説明しました。
すると、息子さんが「確かに!すごく納得できました」と言っていただき、帰宅してからのアドバイスとして
・圧迫骨折は大丈夫だから早く良くなるよと言葉をかけてもらう
・痛みのために食事が摂れない状況なら入院も考える
この様になぜこんなにも痛みが強いのかを家族の理解を得られるとその場で結果を出せなくてもお互いに気分が楽になります。

そうじゃなければ気まずくなりますもんね。
なぜ圧迫骨折が痛みの原因じゃないと言い切るのか?
人間生きてれば徐々に老化はしていきます。
白髪が生える・シワができる・筋力が衰えるなど誰にでも起こる事なんです。
それは骨も例外ではありません。
少しずつ潰れて変形したり、軟骨だって擦り減る事だってあります。
言わば自然現象です。

単純に骨が潰れてるから痛いというのであれば、もう治らないということになってしまいます。
しかし、骨はそのままでも痛みがなくなる方はいますし、腰や背中が曲がっていても痛みを訴えない方も実在します。
そんな症例診たことないって人がいたらお目にかかりたいです。
それを腰が痛いからレントゲンを撮って、鬼の首を取った様に「これが原因だ」って言われたらそう思い込んじゃいますよ。
実際に骨が潰れてる所と痛みのある場所が全然違っていてもです。
後でフォローしたところで、最初の医師からの説明を否定したってなかなか届きゃしない。
それくらい最初の説明・医師の影響力ってのはデカイんです。
その辺ちゃんと自覚して発言してるのか疑問です。
医師は自分がどんだけ患者さんに呪いをかけてるのかわかってんのかなぁ?
いつのまにか骨折なんて忘れてください
CMでもやっている【いつのまにか骨折】
先ほども述べたように自然に変化してきた骨に対して病名をつけているだけの事なんです。
実際に痛みがある場所と一致していないのに、おそろしい病名をつけられる身にもなって欲しいです。
動けなくなるんじゃないかという不安は症状を助長させてしまいます。
転んだ・尻もちをついたという明らかな原因がなく【脊椎圧迫骨折】という診断が出たらどうか安心してください。
痛みはなくなります!
まとめ
・今回の患者さんは1度しか来院していないので詳しい事はわからないが、家族に理解していただけたことは大きい。
・原因のハッキリしない圧迫骨折は自然な現象であって心配する状態ではない。
僕の希望としては、この世から陳旧性の圧迫骨折という病名を消し去ってほしいと強く望みます。
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